掘り起こしの現場に立ち会う | progj

掘り起こしの現場に立ち会う

グアム島アガットの水道工事現場で7年前に発見されたのに、

そのまま埋め戻されてしまっていたご遺骨の発掘、収集作業が、

厚生労働省によって5月23日からようやく始められた。

今回の発掘は、1週間の予定で行われ、

これに合わせて松本理事長らが25日に現地入りし、

28日までこの作業に立ち会った。

現地での厚労省からの説明によると、

今回は、前に発掘収集を行った現場より下、海側の場所を、

縦2メートル、横3メートルにわたって深さ1.2メールまで

新たに掘り起こしている。

前回の作業の際に確認されていたご遺骨2柱は、

この山側の地中に埋まっていたが、

その際はベニヤ板を充てて塞いであった。

現場の上、山側に位置する前回の発掘収集現場には、

すでにご遺骨はないとのことだった。

今回の作業には、松本理事長のほか、

現地ピースリング・オブ・グアム高木会長夫人も立ち会った。

理事長らが到着後、すぐにご遺骨の一部とブーツが、

翌26日にも新たな地層かと思われる所から

ご遺骨3から4柱(考古学者の見解)が見つかった。

この発掘には、厚労省職員や現地の考古学者らが当たっていて、

理事長らは、ご遺骨が新たに見つかった先にある

コンクリートの下の部分については遺骨の確認をしないのか、

など疑問点をいくつも投げかけ、説明に真剣に耳を傾けた。

現場の考古学者たちは、猛暑の中で雨に打たれながらも

真剣に作業に取り組んでおり、理事長らは感謝の意を伝えた。



グアムの日本総領事は残念ながら発掘現場に

一度もお見えにならなかったが、

総領事館の佐伯二等理事官兼警備対策官が現場に来て、

焼香し拝礼してくださった。

理事長らは26日午後、ジーゴにある平和慰霊公苑と激戦地バリガタを慰霊参拝。

27日は、偶然にもJYMA赤木理事長と現場で一緒になった。


高木日本人会会長ご夫妻の案内で

理事長や赤木氏と、日本とグアムの交換学生6名らが、

アガットのメイヤーを表敬訪問した。



その後、全員で再び収集現場を訪れ、深く拝礼した。

今回の発掘は、オバマ氏が米国の現職大統領として初めて広島を訪問し、

慰霊をされた日と重なった点からも非常に感慨深く、

大きな意義を持つものとなった。

戦後71年目にして、米国大統領と日本の首相が原爆慰霊碑の前に立ち、

核廃絶を訴えて御霊に拝礼する姿を見て、

戦塵に散った数多の兵士ら何を思い、語るか。

今回、ご遺骨を故国にお連れすることができるのは、

顧問の土屋正忠総務副大臣をはじめ、政府高官の方々、

理事長友人の岩崎毅氏や、多くの関係者の皆様方のご支援が

あったからこそであり、お寄せいただいた尽力に

改めて心から深く感謝を申し上げたい。

思えば、いまだに19,000柱ものご遺骨が、

故国から遠く離れた戦地に取り残されたままになっている。

今回の発掘は終わりではなく始まりであり、この国の正義と善意を信じ、

希望をもってこれからも頑張っていきたい。

皆さまの応援を引き続きよろしくお願いします。