鹿児島大学理工学研究科(理学部)の小山佳一です。

2025年、東北大学金属材料研究所の研友会「研友」第82号に寄稿したエッセイを元に、

鹿児島大学での強磁場材料研究環境整備からクレーンゲームの話題までを

何回かに分けて紹介します。今日はその4。

 

そんな中の2022年4月、とある集英社インターナショナルの編集者様から、1通のメールが届きます。Webマガジン「クレーンゲーム攻略の鍵は『物理』の教科書にあり。鹿児島大学・小山教授が伝授するプライズゲットの技と心得」の記事で私が述べた、「物理は使うものである」に興味をもったということで、クレーンゲームで物理学に関係した入門書(新書)執筆の相談(オファー)でした。

 

実は、当時のクレーンゲームネタのほとんどは、2006年から2009年までの東北大学金属材料研究所在職時代の話。仙台市内のサンモール一番町、ぶらんど〜む一番町、東一番町通り、クリスロード、ハピナ名掛丁、仙台駅下のゲーセン合計約10ヶ所で、プレイしたクレーンゲームの古い話でした。 Webマガジンの記事も同じです。しかし今回は、新書での物理学とクレーンゲームについての話。今までと違って、しっかりとした根拠資料が必要と感じました。

2006年のクレーンゲームノート

 

このとき私を救ったのが、2006年ごろに作成した「クレーンゲームノート」です。ゲーム後に、メモ書きしたノートを、研究ノートのように、保存していました。ノートに記録、これも、研究者の基本行動ですね。

 

さらに、クレーンゲームのメカを入手し、分解して物理的機構を確認。クレーンゲームの取扱説明書も多数取り寄せ、設計図や各種設定も確認しました。クレーンゲームに関わる実験を行うとともに、現在のクレーンゲームの状況もしっかりと取材(実際のプレイ)もしました。2026年4月までにノートは7冊を超えました。最近は動画記録も多くなりました。

2022年のクレーンゲームノート

 

そして、2024年4月に、「クレーンゲームで学ぶ物理学(集英社インターナショナル)」が出版されました。

クレーンゲームで学ぶ物理学(集英社インターナショナル)

 

次回に続く

鹿児島大学理工学研究科(理学部)の小山佳一です。

2025年、東北大学金属材料研究所の研友会「研友」第82号に寄稿したエッセイを元に、

鹿児島大学での強磁場材料研究環境整備からクレーンゲームの話題までを

何回かに分けて紹介します。今日はその3。

 

2020年8月、コロナ禍で世の中が止まっていたような時期、1通のメールが私のところに届きました。それは、私の2013年のクレーンゲームネタに関するブログを見たWebマガジンほとんど0円大学のライターさんからです。「力学の授業で、プライズゲットの力学的考察の余談が受講生にウケたりしています、と書いておられるのを拝見し、とても面白そうだと感じました。」とあり、プライズゲットの力学的考察に関する取材の依頼でした。

gooブログのタイトル(2025年秋にサービス終了→Amebaブログに移行しました)

 

コロナ禍1年目は、対面授業の閉鎖、慣れないオンライン授業の毎日。1人でPCの画面に向かって喋っていた内容を、オンデマンドで配信するだけの、もやもやした時期でもありました。その年、学生に話せなかったクレーンゲ―ムネタの全てを、対面授業のようにライターさんに、熱く語ってしまいました。そして、2021年1月、Webマガジンで、「クレーンゲーム攻略の鍵は『物理』の教科書にあり。鹿児島大学・小山教授が伝授するプライズゲットの技と心得」の記事が紹介されることになりました。

ほとんど〇円大学小山トップ:

 

 

この記事は、Webマガジンの「大学の知をのぞく」→「この研究はすごい!」のカテゴリーに入っていて、他の研究者は自身研究の話題です。しかし、私はクレーンゲーム。そこで、記事の最後に「エピローグ」を作ってもらい、教育研究の話を入れてもらうことにしました。しかし、実際のエピローグのタイトルは、「小山教授の研究の話。強い磁場で物質を合成、そしてゲーセンへ」、と最後の〆も、やはり、クレーンゲームでした。

 

次回に続く

鹿児島大学理工学研究科(理学部)の小山佳一です。

2025年、東北大学金属材料研究所の研友会「研友」第82号に寄稿したエッセイを元に、

鹿児島大学での強磁場材料研究環境整備からクレーンゲームの話題までを

何回かに分けて紹介します。今日はその2。

 

鹿児島大学理学部に着任してすぐに、理学部と工学部の学生向けの物理学に関する授業を受け持ちました。授業では、学生に物理学の面白さ、重要さ、そして有用さを伝えることに心がけました。言い換えると、学生をいかに寝かさない授業です。これは、私が受けたことのない授業を、今の学生にすることです。そこから新しい発見や改善が生まれました。これは研究の楽しさと同じでした。学生を寝かさない雑談ネタ(意識づけトーク)の一つに、「力学でクレーンゲーム攻略」がありました。

2011年4月の鹿児島大学理学部

 

多くの学生はクレーンゲーム経験者です。「力学でクレーンゲーム攻略」のネタは学生に好評でした。2013年6月6日の私のブログ(磁気物理学研究室の活動日記:鹿児島大学理学部物理と宇宙戦艦ヤマト2199)には、「物理学・力学的視点から見た『UFOキャッチャー』でのプライズの取り方」も講義し、盛り上がりました。」とあります。さらに、「プライズの重心をよく判断し、支点力点作用店を考えよ。」「力のモーメントを考えよ。」「それは腕の長さと力の向き」など書いていて、その文章から、授業後に気分が高揚した状況が伝わってきます。

2013年6月7日のブログ(減衰振動の日)にも続きます。

 

2012年11月の鹿児島大学理学部

 

次回に続く