よく食べるラーメンは?

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ラーメンでふと思い出しました
 
2010年のニュース
覚えている人もいるかな・・
 
「子どもたちにラーメン食べさせたって」と
店に100万円を置いていったおじさんのお話
 

 

 

 

 

彼は小学生に上がるまで
ごくごく平凡な家庭で育てられた

しかし、小学校に上がってすぐ
父親が体調を崩して失職


母親がパートで家計を支えたが
耐え切れなくなったのか
しばらくすると家を出て行ってしまった

その後、なんとか快復した父親が
貧しい中懸命に働き彼を育ててくれた

彼の家族の思い出は、
両親と一緒に食べにいったラーメン屋さん

小皿にラーメンを取り分けてくれた母親の笑顔
大好きな卵を分けてくれた父親の優しさ

「またいつか行きたい」

と思っていたが、彼を学校に通わせるだけで精一杯の家計
子供ながらに外食が厳しいことは肌で感じていた

貧しくても彼は幸せだった
運動会や遠足の時
ごつい形のおにぎりや、崩れた卵焼きが
最初の頃は恥ずかしかったけど
夜が明けないうちから慣れない手つきで
弁当を用意する父の姿を見て
どんなご馳走よりも嬉しいものに思えた

五年生の時の誕生日
父親からこう切り出された

「いつも誕生日らしく祝ってあげられずすまない
  今年は少し余裕があるから、外に食べに行こう
  食べたいもの、なんでも言ってごらん」


彼は即座に


「らーめん!」

 

と応えた

父親は一瞬面食らったようだが
すぐににっこり微笑んで

「お前が一番食べたいものなら」

と言ってあの日家族で行ったラーメン屋に連れて行ってくれた

あの日と同じように、自分の卵を彼にわけてくれた父親
彼は一生懸命ラーメンをすする振りをして涙を隠した



父親は常々

「お前の好きな道を進ませる」

と、口癖のように彼に言い、自身のための出費を極力削って
彼を大学にまで進学させてくれた

彼が大学を卒業し、
地元で有名な某企業に就職した時


「今日だけは」


と珍しく父親は深酒した

真っ赤な顔を満面の笑みで満たしながら

「お前は本当に偉い子だ、大した子だ」

と飽きることなく繰返しながら・・・



彼が仕事に慣れ始め
ようやく社会人らしくなってきたとき
もともと身体が丈夫でなかった父親は
急速に衰弱していった

まるで「自分の役目は果たした」と言わんばかりに・・

それからしばらくして
最愛の父親が亡くなった後
彼はそれこそ必死に働いた

頑張って立派な人間になって
父親を安心させたいために・・

でもどんなに頑張っても
父親を追い越せないような気がした



その日

彼は精神的に完全に閉塞状態にあった
自分でもどうして良いかわからず
半ばやけくそで貯金から100万をおろし
夜の街に繰り出すことにした

でも、飲み屋の前までくると
なぜだか足を踏み入れることができず
そのままあてもなく朝まで繁華街を彷徨った

翌日どうしても出勤する気になれなかったため
会社に有給取得の連絡をいれて家から出た

ふらふらと彷徨っていると
いつのまにかあの日のラーメン屋の前に立っていた

まるで何かに導かれるように・・

一瞬躊躇ったが、思い切って暖簾をくぐった



ラーメンはあの日と同じ味だった



卵を見つめると涙が溢れる



「お父さん、お父さんの期待通り
  俺ちゃんと出来てるかな?」



目の前の席に懐かしい父親の姿があった



「決まってるじゃないか
  お前は偉い子だよ
  本当に大した子だよ」



胸の中の大きな大きな塊が
涙とともに流れていくような気がした



俺をここまで頑張らせてくれたのは
この一杯のラーメンの思い出

もし俺のような思いをしている子供がいたら
一人でもいい
このたった一杯のラーメンの中に
生きる希望を見つけて欲しい


勘定の際、彼は店員に告げた




「これで子供達にラーメンを食べさせて」




驚く店員の顔を尻目に、店を出て歩く彼の心は
突き抜ける青空のように清々しかった





(お父さん ありがとう)






「お前はやっぱり偉い子だ」





にっこり笑う
父親の顔が浮かんだような気がした・・











というストーリーを、
妄想したことを思い出してしまいました・・^^;