1100RDの車検整備です。当店は認証工場なので、必ず24か月点検整備を行ってから、運輸支局で車検を受けます。

ですから、通すだけの車検というものは承っておりません。

 

1100Rの年式ならば排ガス検査はありませんが、当店では必ず排ガス測定を行います。排ガスと空燃比を見れば、燃焼状態の良し悪しが手に取るように分かります。

 

スパークプラグも必ず外して確認します。

 

スパークプラグを外す時に注意しなければならないことは、プラグの周りにたまった砂利を除去することです。これを怠ると燃焼室に砂利が落ちる危険があるので、丁寧にエアブローして砂利を飛ばします。

 

エアクリーナーの汚れも確認します。この車両はK&N製のエアクリーナーですので、表面のゴミを除去して、汚れが酷かったら洗浄剤で洗って専用のオイルを塗布します。

 

エアクリーナーボックス内の汚れも、きれいに拭き取ります。

 

カムチェーンの調整は3,000km毎に行う必要があります。

テンショナーBのヘッド側の雌ねじは舐めやすいので、注意が必要です。ここからオイルが滲んでいるようなら、Oリングが硬化しているので新品に交換しましょう。

 

24か月点検には、車体各部の給油脂状態という点検項目がありますが、忘れがちなのがシフトペダルです。

グリス切れしたままだと、軸が摩耗してガタガタになります。軸には少し固いグリスを塗布、ピロボールにはスプレーグリスを吹きます。

 

リアタイヤの脱着は、ロングフェンダー装着車の場合、フェンダーを上に跳ね上げないとタイヤを引っ張り出せません。

フェンダーを跳ね上げずに無理にタイヤを引っ張り出そうとすると、キャリパーサポートでホイールを傷付けてしまいます。私は、何事も急がば回れで、丁寧な作業を心掛けています。

 

古いタイヤを外したら、新品タイヤを組む前に、ホイールの内側を徹底的に清掃します。古いビードクリームが乾いたカスを除去し、過去のタイヤ交換で傷付けられたと思われるリムの傷を、やすりとサンドペーパーで修正します。

 

タイヤチェンジャーを導入する前は、タイヤレバーを使って手組みしていましたが、今はもう手組みは勘弁ですね(笑)

 

今回のタイヤはブリヂストンのBT46です。国産タイヤは軽点マークがあるので、そこをエアバルブに合わせますが、ミシュランなど海外製は軽点マークがないものもあります。

以前、ミシュランを組んだら、バランサーでウエイトが70グラムと出てしまいました。いくらなんでも70グラムも貼りたくないので、もう一度ビードを落として、ウエイト貼り付け指定個所をエアバルブの所に持っていき組み直したら、20グラムまで減りました。

再度ビードを落として組み直すのは余計な手間ですが、ウエイトは少ないに越したことはありませんので、手間は惜しまずバランス取りしています。

 
車検受験前にしっかりと点検整備をしているので、車検はもちろん一発合格。それが認証工場としての責務であり、お客さんの信用を得ることにもつながると思っています。