『コクーン歌舞伎 桜姫』

 ベンチシートという舞台横最前列の席で、
 目の前を権助(橋之助さん)や長浦(扇雀さん)が通っていったり、
 清玄(勘三郎さん)と桜姫(七さま)の立ち回りで水をかぶったり。
 さらに、役者さんの所作を細かなところまで見れて大満足。

 今回は客席が舞台を360度囲んでいたので、各方向から見たらより楽しめそう。
 舞台はシンプルなつくりだったけど、黒子さんの活躍できちんと場面転換されてた。
 あんなにあっさりしてるのに、盆とセリがあることにはびっくりしましたけど。
 美術は『春琴』を担当していた方ということを知ってかなリ納得。

 ストーリーは「とんでもない話」なのに、
 そんなの気にならず、むしろ楽しめるほどに引き込まれるお芝居でした。
 歌舞伎の伝統を守りつつも、オペラの曲を使ったり美術に凝ってみたりと、
 まさに「コクーン歌舞伎」ならではだったと思います。

 何よりも、タイトルロールを演じる七之助さんが綺麗!!!
 装飾によって飾る美ではなくて、不要な物を削ぎ落とした美という感じ。
 ラストシーンは神々しい美しさでした。今が一番輝いている時期に違いない。

 「桜姫」のための演目なので、彼にかかっている部分もあるだろうから、
 相当プレッシャーを感じるだろうけど、その期待に十分応えていたと思う。
 技術的なことに加えて、あの美貌は本当に大きな武器ですよ。
 ただ、女郎は少し迫力に欠けていたかな。もう少しおもいきってもよさそう。

 周りの方々も素晴らしかったです。
 彌十郎さんと扇雀さんのやり取りにかなり笑わせてもらいました。

 清玄と桜姫の立ち回りで、
 決まった型や見栄をきることの様式美を再発見し
 さらに、吉田家を再興した桜姫の姿を見て、
 伝統を継承していく人たちの強さや意義を感じました。

 七之助さんが好きでなんとなく観はじめた歌舞伎ですが、
 演目を楽しむだけではないおもしろさ(醍醐味?)が分かりだした気がします。
 今回の作品を見れて本当に良かった!!