ファッション業界って。。
UA(ユナイテッドアローズ)大暴落

2007年10月29日(月) 16時54分
Uアローズがストップ安比例配分、今期の下方修正を嫌気、155万株の売り残り

 ユナイテッドアローズ <7606> が200円ストップ安の1144円で比例配分。出来高は81万1500株となり、155万株強の売り物を残した。9月21日の安値1181円も割り込み、下値模索の様相が強まっている。
 今08年3月期連結業績予想の下方修正を嫌気した。連結営業利益を9月中間期で20億4200万円から15億2400万円に、通期で81億4700万円から52億3200万円に減額。厳しい残暑により晩夏・秋物商戦が不振だった。

株式新聞ダイジェストより

びっくり半分予想半分。
一方で「サウンズグッド」というスポーツライフスタイルセレクト業態をつい先週原宿に2店目としてオープンした。
高家賃と低集客性を顧みない大手によるイメージ戦略を最重要視した利益度外視の出店が大半の高級立地に
路面店かつ一棟借りで出店、しかもストアレーベルで半年のテスト期間しかなく、熟成なきままスピンアウトだ。
中を見るとオリジナル比率は20%程度で後はNBスポーツブランドが多くを占め、上代と経費は見合いそうにない。
つい先日三菱商事との提携が報道され、一層の値入れ抑制と効率化を目指すようだが果たしてこれが「セレクトショップ」の正常な進化と言えるのだろうか??
僕らがあの頃興奮した、「セレクトショップ」というインディーとメジャーの架け橋はどこに行こうとしているのだろうか。
分割してB&Yの方は方向性が固まったものの(内容が良いかどうかはおいといて…)UA本体のオリジナル比率
拡大と出店加速による魅力希薄化は顕著だろう。この辺りは様々な掲示板等に見られる消費者の声をみても明らかだ。ジリ貧の消化率に歯止めもかからず、それらをバランスシートとキャッシュフロー上でカバーすべくプロパー商品の価格上昇とアウトレット消化拡大を押し進め、負の連鎖が止まらない状況では。
母体ともいえるビームスが規模拡大を狙わず今でも顧客の圧倒的な信頼を得て安定した利益と提案性を保持している事を考えると、UAの「スーパーSPA」という誰が考えても矛盾する高邁な構想はいよいよ破綻の危機を迎えているのではないだろうか。
商品セクションと経営サイドのシンクロが規模の拡大で都度うやむやにされてきたようだが、システム整備=リスクマネジメント能力に欠ける行き当たりばったり的経営を改め、その名に違わず結束した一つの矢となり本来の立脚点を確固たるものにしない限り、アパレル業界に風穴をあけ勢力地図を塗り替えたこの一部上場企業に未来はないといえよう。
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バブル崩壊とマーケットイン

昨秋冬の大手アパレル各社の売上(公表前年並み(笑))を昨年末に一通り聞くまでもなく、昨8月以降のマーケットは明らかにダウントレンド。今年に入ってからは各指標も明確に下降して市況全体が膠着した上、今春は勝ち負けがより鮮明になり、アッパーエイジのステイヤング化とキャリア~ミセスのカジュアル/レイヤード化以外に目新しい流れがない。大手各社は挙って苦戦しているようで、「選択と集中」というデフレ状況下の施策よりさらに後退したバブル崩壊的舵取りに甘んじる状況が秋まで継続しそうだ。
スピードアップ/コストダウンのSPA化が行き着いて各社が打ち出すのは「ライフスタイル」提案。だが果たしてそれは新たなビジネスモデルの指標となるのだろうか?
ここまでライフスタイルが細分化し購買チャネルも分散した今、ライフスタイル提案によって顧客を囲い込める吸引力がマーケットイン商品によってもたらされるとは思えないのだが。格下げ消費がもたらすクオリティ維持/低価格志向の波に乗りつつ鮮度ある単品を提案し、顧客の選択肢の1つに入る事こそ重要ではないだろうか。(SCの既存店売上が一段落してアウトレットモールが急速に活性化していることも、クラス維持/低価格志向の顕著な現れである。)スタイル提案などと上から目線で商売(MD)を組み立てる事自体ナンセンスで、厳しい選択眼を持つマーケットの琴線にふれるような絶対的魅力を持つ単品開発によってのみ潜在顧客を獲得出来る時が訪れているのでは。(百貨店においてはセレクトショップ的平場が絶対必要である裏付けといえる。)つまりコーディネート訴求によって単品の完成度をごまかせる時代は終わりつつあるという事だ。マーケットインを通過した後の顧客目線によるプロダクトアウト(=等身大のライフスタイル)、これこそが次のビジネスモデルであり少品種多量生産から多品種少量生産にシフトした成功事例の先にあるものではないだろうか(マルキュー的ストリート発想)。要は作る側が欲しくない戦略商品は客にもバレる、ということである。賢い顧客はきな臭い商品には手を付けない。というよりも客が賢くなった、という言い方そのものが川上全盛の70年代的で「流行をお教えしています」的旧時代発想である。2000年代はラグジュアリー~グローバルSPAのマルチミックスを楽しむ顧客に向けた単品志向ブランドこそが必要とされている。イタリアンファクトリーブランドやそれを紹介するbeginの隆盛がそれのメルクマールとなっていることにアパレル関係者は一刻も早く気づくべきだろう。セット率を考える前に単品消化率をよく見てアイテム属性よりむしろ素材/ディティールを検証すべきである。某大手アパレルのように「ヒット品番のキーワード」をすぐもとめてリプロする(=再現性)ではいつまでたってもイタチごっこで、そんなブランドには消費者もいずれ愛想を尽かす。むしろ作り手が楽しんで作り空気感を孕んだ商品の初期衝動こそその気分が必ず顧客まで届くのだ。

サンエーインターの一件は業界全体の問題では?

 婦人アパレル大手のサンエー・インターナショナル(東1:3605)は10日、子会社のFREE’S INTERNATIONALが扱うブランド「Pinky Girls」「Pinky Girls Lux」「Pinky Girls party」「dizzy」の各店舗で、販売促進のために販売員が店頭で試着した商品を顧客に販売していたことで苦情が寄せられていた件について、「お客様が試着された商品と同様に、新品として販売可能な品質を保持しているか原則として店長が厳密にチェックしたうえで販売していました」と釈明した。同社の調査による一商品の試着回数は1-3回だとしている。同社はこの販売促進方法を11月7日で中止した。
<ライブドアニュース>

いささか古いネタではあるが、胡散臭い続報が読売ウィークリーに掲載されていたし、まだまだこの問題は尾を引いているようだ。
服飾業界に身を置く者として、元エリアマネージャー経験者として苦言を呈すならば、「何を今更」だ。。こんな話はどこにでもあり、今回の告発もどうせ販売代理会社が条件交渉の決裂を理由に蜜月の関係を暴露したに過ぎない。こんなにサンエー関係の報道やアンチサンエー掲示板のスレッドが続々立っているのに告発側の情報が全く出てこないのがいい証拠だ。そもそも販売代行会社とはローカルでの地権やコネクションを楯に販売実績のみをアパレルに評価され成立しているものが大半なので、その親会社が水商売系だろうがアングラ系だろうが数字をあげれば委託するアパレル側には関係ない(信用機関の裏が取れて決済が確実であればそれでOK)。黙認されてきたグレーゾーンが昨今の消費低迷で表出したと考えた方が良いだろう。
その一方、先端のトレンドや夢を売るという印象のアパレル業界は、実は完全なカーストになっている。80年代に「黒の衝撃」で成功した世界的デザイナー達や大手アパレルのトップには誰も逆らえず、それは側近や社内に留まらず外部メジャーメディアをも支配している。サンエーインターナショナル社長を例に挙げるまでもなく、当時の方々は政府予算を申請出来る立場にまで上り詰めているのだ。そしてプロパガンダが流され、苦しむのはパック率向上に精を出す何も知らない末端の販売員である。
 未だ小作農的なこの非近代国家的搾取システムが、景気動向のおかげでようやく崩壊しつつあるのは喜ばしい。だが、アパレル業界において表題の件は常識としてまかりとおっており、なくなる事はありえない。タブロイド系メディアにいちいち過剰反応する消費者の問題でもあり、実際一部掲示板では、「私の買った○○も返品出来るかな?」といったどさくさ投稿も相次いでいる。仮に全アパレル系(川中~下)が問題を解決しようとするなら、福利厚生や雇用条件等の抜本的見直しが必要となって資金計画まで波及し、おそらく東証一部企業の大半は株価下落による増資/売却かMBOによる上場廃止など、致命的な軌道修正が急務になるだろう。
 いずれにせよ、夢を売るファッション業界は未曾有の転換期に差し掛かっている。消費者は賢くなった一方でカリスマを求め、細分化したようで収束している。「消費者視点」を業界に定着させて一大ムーブメントを巻き起こし、いまだ109系の頂点として君臨するエゴイストグループやバロックジャパン。大手アパレルが挙ってそのビジネスモデルやカリスマ本人を取り込んでみたものの多くは離陸せず、その後を担う次世代のインディペンデント系アパレルハウスの胎動も弱々しい。大手アパレルは百貨店依存と売り手発想の同質化を解消出来ずいずれ消滅するだろうが、ストリートの需要はなくならない。では誰が応えてファッションマインドのデフレスパイラルを転換出来るのだろうか。