ラチエンランニングアカデミーの山崎です。
マラソンランナーにとって、暑い夏がもうすぐ始まろうとしていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
秋、冬のマラソンレースのエントリーは次々と開始し始めており、どのレースにエントリーしようか迷われてる方も多いと思います。
シリアスランナーの方は、自己ベスト更新を願って大会にエントリーされると思いますが、この時期に抑えておくべきトレーニング計画のポイントを、今回お話できればと思います。
◾️トレーニング計画の4つのフェーズ
レースで戦える状態を作る最も最適なトレーニングの組み方というものが存在します。どのタイミングで何をどのくらい行うかによって全く結果が変わってきてしまいます。
私は5年以上前からダニエルズのランニングフォーミュラの期分けの仕方を参考にトレーニングを実践しておりますが、その部分を元にまとめました。
①Base(基礎構築)
後述する鍛錬型のトレーニングをメインとする。全フェーズにおいて、ここが一番重要であり以降のフェーズでの伸び幅は、このフェーズにおけるトレーニングの充実度に比例してくる。
走り込みによる足作りや、フィジカルトレーニング(補強なども)を行い、目標とする種目のトレーニングを積める身体と体力、回復力を構築する時期。
走行距離を徐々に伸ばし、ランニング、ジョグの習慣を定着、強化していくことが重要であり、ポイント練習はタイムを追う重要性が低い。ポイント練習の強度が高すぎて翌日以降のランニング習慣に悪影響にならないように注意すべき。
補強などを行いランニングフォームを改善、強化するのもこの時期に重点的に行う。ここでしっかり走り込めていると、以後故障のリスクが下がる。
必要期間:6〜12週間
②Initial Quality(導入期)
鍛錬型トレーニングから徐々に適応型トレーニングに軸足を移していき、目標種目を見据えたスピードを作っていく。
レースペースよりも速く短い距離のレペテーションなどがメインのポイント練習となり、5000M以上やマラソンをやる人にとってはここが最もスピードを出して走るフェーズになる。
マラソンメインの方はレペテーションの重要度はそこまで高くはないが、少なくともマラソンレースペース以上のスピードに対しての余裕度を養う必要がある。200M×20や400M×10のレペテーションを行う際、可能であれば1本辺り30秒~1分のヒルスプリントに置き換えられるのであればむしろそちらの方が良い。
期間:4〜6週間
③Transition Quality(移行期)
前フェーズ以上に適応型トレーニングに寄せていくフェーズであり、ここではレースで走る負荷を体に馴染ませる必要があり、目標種目に対して必要なスピードで長く走れる状態を作る。速くて長い練習となるため最もハードなフェーズとなる。
1000〜2000のインターバルやTペース走など最もきついトレーニングを中心に毎週実施していく。
一方でスピードそのものは中距離ランナー以外は前のフェーズ以上に上げる必要はない。
マラソンランナーであれば、Tペース走、マラソンペース走(20〜25km)、30km超のロング走が主なポイント練習になる。
期間:4〜6週間
④Final Quality(仕上げ期)
適応型トレーンニングをメインとし、レース時の再現性を高めていく。
目標種目のレースペースを楽に走れる状態を作るため、前フェーズでのスピードをより楽に出せるようにコンディションも整えながらポイント練習をこなしていく。
目標種目の距離の5〜7割くらいの距離でのタイムトライアルや質の高いテンポ走などで仕上げていく。
レースを使いながら調子を上げていくのもこの時期。
期間:4〜6週間
上記フェーズを経て成長していくため、目標レースに向けて準備する期間は最低でも5ヶ月、できれば9ヶ月欲しいところ。①のフェーズを出来るだけ早く開始する事が成功のポイント。
◾️トレーニングの2つの軸
トレーニングの種別には、速く走るための筋力や長く走るためのスタミナを構築するための、鍛錬型トレーニングと、
実際のレースペースをうまく効率的に走るための適応型トレーニングがある。とりわけ受験勉強に例えれば、前者が教科書から学ぶ事で、後者が問題集を解くようなものです。
レース直前にならないと練習を頑張れない方は適応型を要領よくやろうとばかり考えているケースが多いので、そこそこのタイムでは走れるけど、大きく伸びれない事例が多い気がします。
一方で鍛錬型だけでレースに挑むと、力はついてるはずなのにレースでうまく発揮できないということになります。
◎鍛錬型トレーニング
ジョグ、流し、ロング走、イージーペースラン、軽いテンポラン、ヒルスプリント、クロカン走など。
身体に適度な負荷をかけるため、インターバルやペース走なども行うが、体力やフィジカルのキャパを広げる事を目的とするため、タイムではなく主観的な強度を目安に行う。
①Base期でメインに行うが、②や③のフェーズでも引き続き取り入れる。
◎適応型トレーニング
目標レースペースで走れるようになるためのトレーニング。設定タイムを設けたレペテーション、インターバル走、Tペースランニング(Mペースランニング)、ロング走がメイン。
②→③→④とフェーズが進むにつれて、目標種目の適合に特化したトレーニングの色合いを濃くしていく。
それぞれ週2〜3回のQトレーニング(ポイント練習とロング走)とつなぎのジョグの日でルーティンしていく。
◾️注視すべきポイント
各フェーズのパフォーマンスの高さは、その前に行ったフェーズのトレーニングの質量に大きく影響を受ける。
とりわけ、②③④のフェーズのそれぞれの伸び代は①のフェーズにどれだけ費やせたかで決まってしまう。
よってフェーズをスキップしてしまうのはあまりよろしくない。
適応型のトレーニングは、毎週のパフォーマンスを定量でトラッキング出来る方が望ましく、無風でフラットで気象条件も同一条件でいつも行えるとベスト。
一方でその環境に恵まれない場合はタイムではなく主観強度で定性でトラッキングするのも一つの考え方です。
以上、トレーニングの期分けについて述べてきましたが、マラソンレースの本番が11月〜3月の方が多いと思いますので、本記事はこのタイミングで共有しないと意味がありません。
ラチエンランニングアカデミーでは、パーソナルトレーニング受講、練習会メンバーの募集を随時行っておりますので、ご興味ある方は是非、https://produce19770405.amebaownd.com/
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