アッチで大流行している City Pop についてザックリ触れるつもりが
何故か達郎特集みたいになってしまい、、、
エエ加減しつこいのでこれで最終回としますね。^^
途中まで書いてたのがまだ残ってただけとも言う...
まさか1ヶ月も引っ張ることになるとは思わず。汗
〆はこのアルバムで。
山下達郎 | Spacy (1977)
1977年リリースの2ndアルバム。
ジャケットは、ペーター佐藤デザイン
アクリルブロックをカラーコピーしたってのが斬新だった。
('77年のお話ですからね。)
とはいえ、裏ジャケの方がシュールさに加えミスタードーナツ感もあり、彼らしい作品として有名だったり。
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SPACY (スペイシー)
2,216円
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山下達郎 | Spacy (フル試聴 *後半"Love Space"のインストver.なんてのもアリ。)
表示されない方は→コチラ
達郎のアルバムで1枚選べと言われたら私はやっぱりコレかな。
ドラムが、村上 "ポンタ" 秀一
ベースが、細野晴臣
ギターが、松木恒秀、そして、大村憲司
キーボードが、佐藤博
あくまで山下達郎による山下達郎の世界を実現する為のアルバムなんだが
このメンツで作ったバンドとしてのアルバムと言っても良いと思う。
前作のデビューアルバムで海外レコーディングを実現させ、プロデューサーのチャーリーカレロに全ての譜面を持ち帰る許可を得て、それを徹底研究してこのアルバムを作ったってのは有名な話。
結果、細かい指示も含めたガッツリ譜面が出来上がり、それを元にレコーディングに入る。
しかし現場で実際音を出してみると、このメンツです。
まともに譜面通りに演る筈も無く。笑
結果的に、皆でアレンジを積み重ねて出来上がったらしい。
ただ、そんなメンツで作ったのは約半数で。。。
あとは達郎さんによる独り多重録音だったり、吉田美奈子(vo)や坂本龍一(key)、田中章弘(b)などの限られたプレイヤーの手は借りるもののバンドでは無く達郎のソロ。
これも当時の山下達郎における限られた予算を表してますよね。
確実に売れる流行りの歌謡曲ではありませんから十分な予算も出ない。
しかし、前作のデビューアルバムもそうですけど、思っていることを実現する為に必要な予算がアルバム1枚分出ないならば、その半数の曲に予算を集中して徹底的にやる。
残りは独りでも仕上げる。(その結果、あの独り多重録音なスタイルが生まれる)
今なら限られた予算で4曲しか出来ないならば、4曲のEPとしてとりあえず配信したりといった自由が利くけれど、当時はLPレコード、もしくはカセットテープで流通させないといけません。ですので、アルバムなら必然的に45分程度の量が必要でしたから。
予算の中で出来る範囲の妥協した作品にしなかったってのが、40年以上経った今こーして海外でも評価されることに繋がっているんだと思う。
なんて、こんな話をしていたらキリが無いので、、、
今日はそんなアルバムの1曲目をお題に。
山下達郎 | Love Space
改めて採るとこんな感じ
*あくまでギターで採ったギター目線でのお話です。鍵盤目線ではまた解釈が異なると思いますので予めご了承ください。
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[Intro]
| F#9/Ab | F#9/Ab | C#M9 | C#M9 |
| F#9/Ab | F#9/Ab | C#M9 | Fm7/Bb* |
[A]
| Ebm9(11) | Ebm9(11) | C#M9* | Ab9/Bb Bbm7* |
| Ebm9(11) | Ebm9(11) | C#M9* | Ab9/Bb Bbm7* |
[B]
| F#M7 | Gm7-5 | C#/Ab | Bb7-9 Bb7 |
| Ebm9(11) | F#9/Ab | C#M9* | Bbm7* |
[A]
[B]
[Bridge]
| F#9/Ab | F#9/Ab | Ab9/Bb | Ab9/Bb (G9/A) |
| F#9/Ab | F#/9Ab | Ab9Bb | - |
[A] (solo)
[B]
[A]
[B]
[A] + [B] (solo)
x Repeat to F.O.
F#9/Ab= 4xx324
C#M9= x4354x
Fm7/Bb*= xx8898
Ebm9(11) x64664
C#M9*= ①x-x-x-10-9-11 ②x-x-x-10-11-9 ③x-x-x-x-9-8 ④x-x-x-10-9-x ⑤x-x-x-13-13-11
Ab9/Bb= 6xx546
Bbm7*= x-13-15-13-14-13
F#m7= x-9-11-10-11-9
Gm7-5= x-10-11-10-11-x, xx5666
C#/Ab= 4x666x, xx6664
Bb7-9= 6x6767
Bb7= 686766
G9/A= 5xx435
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私の思う、松木恒秀スタイルのギター、真骨頂。
メロディックなカッティングとでも言いましょうか。
↑のコードを元に必要な音を効果的に聴かせ、歌を引き立てつつ印象的なリフとする。
という歌モノバッキングのお手本のようなもの。
未だに学ぶべきところは多く、松木さんのバッキングギターは私の教科書デス。
【イントロ】
「F#/Ab」にF#から見た9thを加えた「F#9/Ab」
この9thの音「Ab(1弦4F)」がミソになっていて、Aメロのバッキングで多用する「Ebm9(11)」からみたら11thの音となる。
【Aメロ】
「Ebm9(11)」は5弦ルートなマイナー9thのフォームのぐいっと伸ばした人指し指をバレーにして1弦も鳴らすだけ。
「C#M9*」↑のコード譜上では*印を付けてますけれど、私がこの*印を付ける時は指定する押さえ方がある時。
この場合は、松木氏のバッキングに基づいた崩し方について指定しているだけで、もちろん自由に弾いてもらって結構デス。
C#M9、またC#M7の構成音を理解し、その音を崩します。
崩すというか、必要な音だけを摘むって感じですかね。
実際に音を聴いて捉えて欲しいんですけど、この箇所では1つのコードを5つのブロックに分けて弾いていると思ってもらえば良い。
例えば、1つ目の①「x-x-x-10-9-11」ってのは、「9-x-10-10-9-x」というC#M7に9thの音(1弦11F」が加わっていると捉える。
そこから次に人指し指バレーで②となり、次に「9-x-11-10-9-8」という同じC#M7でも違うフォームに移り、③④⑤と。
あ、⑤は③とほぼ同じ音ですので、どちらでもお好きなように。
そして「Bbm7*」
これはローコードのBbm7をそのまま1オクターブ上へ。
【Bメロ】
特にありません。
↑の通りデス。
基本、同じパターンの繰り返しなシンプルなものですが、こーいうプレイを現場でさらっと絞り出せる引き出しを持ってるか否かってのは大きいデス。
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あと、松木さんのギターならこーいう曲も。
山下達郎 | あまく危険な香り
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GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA
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FOR YOU (フォー・ユー)
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*リマスター盤のみのボーナストラックですのでご注意を。
[Intro]
| FM9 | C#M9 | FM9 | C#M9 |
| FM9 | C#M9 | Bbm7 | C#/Eb Eb |
[A]
| AbM7 | Gm7-5 C7-9 | Fm7 | Bb7sus4 Bb7 |
| Bbm7 C#/Eb |
② | AbM7 (- AbM7 - Bbm7 - Cm7) |
[B]
| F#/Eb (=Ebm7) Ab13 | C#M9 | Gm7-5 C7-9 |
[Interlude]
| FM9 | C#M9 | FM9 | C#M9 |
[C]
| Cm7 | Bbm7 | Cm7 | Bbm7 |
| C#/Eb Eb |
ってやつね。
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サブタイトルに大層に「松木恒秀の世界」なんて付けちゃって
"Love Space" のバッキングからの流れで松木さんの職人ギターを大いに語ろうかと思ってたんですけど、とても1回では無理ですね、、、汗
とはいえ、せっかくなんで歌謡曲やポップスにおけるバッキングワークに限定し、(それでもキリが無いが)その中から一部を抜粋し紹介させていただきます。
モータウンと同じくこの時期の歌謡曲のクレジットはいい加減で謎な部分も多く、真相は闇の中ってのも多い。
ですので、分かる範囲でそーだよねってのを抜粋してますけど、違ってたらごめんなさい。汗
「松木恒秀」という名は知らずとも、彼が弾いたフレーズやプレイは耳にしたことがある筈で
「あー、そーだったんだ」と思ってもらえれば本望デス。
例えば、井上尭之氏だと思ってる人も多いであろうこの曲のあのフレーズもそう。
レコーディング当時松木氏のボーヤを勤めていた和田アキラ氏も「この目で弾いているのを見たから間違い無い」なんて断言している。笑
沢田研二 | 危険なふたり (1973)
そしてコレ。
左とん平 | ヘイ・ユウ・ブルース (1973)
他、当時の歌謡曲のクォリティがよく分かる。
しばたはつみ | シンガー・レディ (1975)
大橋純子 | ペイパー・ムーン (1976)
大貫妙子 | Summer Connection (from the Album "Sunshower" 1977)
アン・ルイス | 恋のブギ・ウギ・トレイン (1979)
松原みき | Manhattan Wind (from the Album "Pocket Park" 1980)
吉田美奈子 | Light'n Up (from the Album "Light'n Up" 1982)
佐藤博 feat. Wendy Matthews | I Can't Wait (from the Album "Awakening" 1982)
他、大野雄二氏の絡みで角川映画および日テレ系映像の主題歌も多数参加。
大野雄二 | 愛のバラード(from the Album "犬神家の一族 Original Soundtrack" 1976)
ジョー山中 | 人間の証明 (1977)
大野雄二 | ルパン三世 愛のテーマ (1977)
大野雄二 | 大追跡のテーマ (1978)
大野雄二 | Love Saves the Earth (24時間テレビ テーマ 1978)
「24時間テレビ」のテーマはやっぱりコレですよ。
あと、タモさんの「今夜は最高!」ね。^^
ハウスバンドの「ザ・プレイヤーズ」として務めた。
今夜は最高!オープニング (1981)
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そんなこんなで〆と言いつつ、いろんな曲を紹介してしまったので、、、
最後の最後は冒頭のアルバムから、達郎ソングの中でも個人的にオキニなこの曲で〆させていただきます。
山下達郎 | Candy (1977)
コードを採るも微妙に納得出来ない箇所が未だにありますので、自分の中でしっくり腑に落ち気が向いたらまた。
佐藤博さんと縁あって生前お仕事をご一緒したこともあったのに、、、
あの時、何故訊かなかったのか?と悔やむ曲でもありマス。。。(^_^;)
ココでは達郎関連しかネタに出来ませんでしたけれど、個人的に"City Pop" と呼ばれる音楽を作った人達を再認識する良い機会になりました。
天国にいる松木恒秀さんと佐藤博さんにも改めて敬意と感謝を。m(_ _)m
RIP...