平和の福音を告げる準備


6:15平和の福音を告げる準備を履物としなさい。

平和の福音を履物とするのではなく、平和の福音を『告げる準備』を履物としなさいとあります。私達は歴史を通して、この時代がどういう時代であるか知る事ができます。使徒パウロが宣教した1世紀のローマは、ローマ帝国の初期であり、「パクス・ロマーナ」というローマ帝国による平和が保たれていた時代でありました。私もローマ人の物語という本がありますが、それを読みましたが、確かにローマ帝国が登場した事により、地中海世界は一つになりました。ヨーロッパから北アフリカまでローマ帝国の領土になり、東ヨーロッパから攻めてくるゲルマン民族も完全に抑えていました。またイスラエル地方の東にあるパルティアもローマ帝国の強さに手が出ませんでした。そのローマの強さがローマの兵士達です。ローマ兵士たちの訓練の強さ、そのチームワークと十分に練られた戦術によって、ローマ兵士の軍団に勝るものはありませんでした。彼らはいたるところに軍靴を履いて出て行きました。ローマの軍隊の履物はカリガといいます。ローマ軍団達の行く所毎に、平和があったように人々は錯覚したかもしれません。ローマ軍団はこの後ユダヤにも攻め込みます。ユダヤ人の反乱を抑える為に、ローマ兵士たちは攻め込んで、ユダヤを滅ぼしました。ローマ兵士達の履物は人間的には平和をもたらしたように思えました。その履物を履いてローマ軍団が行く所毎に、反乱は鎮圧され、一時的な平和は来るように思えました。しかし、それは真の平和ではありません。真の平和をもたらすお方はイエス・キリストただお一人であります。平和の福音とは何でしょうか?エフェソの信徒への手紙がこう語ります。

エフェソ2:14実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、2:15規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、2:16十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。

主イエスの与える平和は、ローマ帝国のような『征服と侵略による平和』ではありません。それは、和解の平和であり、敵対する両者を一つにし、敵意を滅ぼす平和であります。私達はこの時代の風景を思い浮かべる事ができます。パウロもヨーロッパ中を旅しながら、その軍隊の靴を鳴らしながら進軍していくローマ兵士達の姿を見たでしょう。彼らの行く所毎に、反乱と戦争が収まるように見えます。しかし、それは偽りの平和です。結局のところ、ローマ帝国も400年後に滅びました。私達の信じるキリストの平和は決して滅びる事がありません。

イザヤ52:7いかに美しいことか/山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え/救いを告げ/あなたの神は王となられた、と/シオンに向かって呼ばわる。

まず、私達一人一人が神様と和解した者として、平和の福音を準備しましょう。そして、ローマ軍団兵がヨーロッパ中に進み出て、戦争を収めてきました。私達は真の平和の福音を履いて、日本のキャンパス、職場、日本語学校で出て行きながらその行く所毎に、魂を勝ち取り、真の平和を実現するクリスチャンになりましょう。

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