箴言 3:1わが子よ、わたしの教えを忘れるな。わたしの戒めを心に納めよ。
聖書の中にある有名な格言集が『箴言』です。それは仮にキリスト教信仰がない人が読んでもうなづけるような『知恵の書』であります。そこにはどのような知恵が描かれているのでしょうか?

1.ローマの皇帝アウグストゥス『国家の父』
ローマ帝国の初代皇帝であるアウグストゥス皇帝がいます。彼の時代にイエス様が誕生しました。彼は
40年の統治期間を経ながら、ローマ帝国を通して地中海世界全体に平和をもたらしました。それゆえに、彼の築いたローマ帝国を通して「パクス・ロマーナ(ローマによる平和)」という言葉が生まれました。彼にはローマ帝国の『国家の父』という称号が与えられました。彼が国家全体を一つの家族のようにまとめたからです。その時代から、ローマ帝国は一つの家族(ラテン語でファミリア)であるという思想が生まれました。

2.イスラエルの国家の名前の起源:父祖ヤコブ
それよりもはるか昔に、ソロモン王はイスラエル王国を一つの家族としてまとめました。もともとイスラエル
12部族は家族ではないでしょうか?ヤコブの12人の兄弟と父親から生まれた共同体が、最初のイスラエル共同体です。創世記を読んでみれば分かる通り、ヤコブの名前が主なる神様によって変えられて『イスラエル』という名前になりました。知っていましたか?

私は最初、なぜヤコブの名前がイスラエルになり、このイスラエルという名前が今の国家の名前になっているのかと不思議に思ったことがあります。聖書を知っているならば、ヤコブという人物はあまり良い人物ではないことを知っていると思います。彼は人をだます者でした。またずる賢い者でした。ヤコブという名前そのものが『だます者、足を引っ張る者』それゆえに純粋に神様に従う者ではないがゆえに、数多くの苦労をしたことが聖書に書かれています。アブラハム、イサク、ヤコブの神であると主なる神様が言われる中で、一番模範的でない人物がヤコブです。なぜイスラエルの名前はヤコブの名前であるイスラエルなのか?なぜもっと素晴らしい信仰を示したアブラハムや、イサクが国家の名前にならなかったのかと考えないでしょうか?しかし、ここにも神様の尊い御心があることを知ることができます。

3.家族には悩みが当然あるべきもの
ヤコブとその12人の兄弟たちは一つのファミリーです。彼らは本当にこの世的な、デコボコな家族でした。兄弟の間に嫉妬があり、偏った偏愛があり、暴力もありました。とても美しいとは言えない家族がヤコブの家族です。しかし、その共同体の家長であるヤコブの名前がイスラエルであり、それがイスラエル王国の最初のモデルになったということです。それぞれが足りない者でした。ヤコブは自分の愛する息子ヨセフが殺されたという苦しみを抱きながら生活しました。ヨセフはエジプトに奴隷として売られて、ヨセフの兄たちは、自分たちのしたことが父親を本当に苦しめたという罪責感がありました。このような苦しみがあり、誤解があり、悩みがある家族です。これがイスラエル王国の最初のモデルです。時代がすすむに連れて、更に数多くの人々が生まれました。家族というには余りにも多い人々が生まれ、お互いに部族以外の人々は知ることもできないほどでした。部族同士での争いも生まれました。

4.ソロモン王の統治、その名前の由来
世界で最も裕福だったと言われる王に聖書のソロモン王がいます。その名前の由来は『シャローム(平安)』です。ソロモンがイスラエル王国を治めた時に、その国家は平安でした。家族が安らかであるような平安があり、ソロモン王は国家の父として国を治めました。これが最終的な神の共同体のモデルでもあります。ソロモンは、神の知恵により人々を治めていました。人々が争わないように人々を治めました。その神の知恵をもって、ソロモンはイスラエルの民に語りかけています。

箴言
3:1わが子よ、わたしの教えを忘れるな。わたしの戒めを心に納めよ。

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