映画『ナルニア国物語』をご覧になったことがあるでしょうか?イギリスの童話作家CSルイスによる原作が3作品映画化されました。

日本では2006年に『第一章:ライオンと魔女』が上映されましたが、そこには多くのキリスト教概念がアレゴライズ(allegorize:寓話化)されていることをご存知でしょうか?

ライオンの王アスラン:キリストをイメージしている。ライオンは『百獣の王』、キリストは『王の王(king of Kings)。

“すると、長老の一人がわたしに言った。「泣くな。見よ。ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえが勝利を得たので、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる。」(ヨハネの黙示録5:5)”
(キリストはユダ族から出たダビデの子孫である)

②魔女は神に敵対する悪魔を象徴している。

③主人公の4人兄弟であるペベンシー家のこどもたちの名称
  ピーター:「アダムのむすこ」長男。
  スーザン:「イブのむすめ」長女。
  エドマンド:「アダムのむすこ」二男。
  ルーシィ:「イブのむすめ」二女。
  (この中で、二男エドマンドは魔女に騙されて、囚われの身になってしまう)

④獅子王アスランは、魔女に囚われたエドマンドを解放するために、自らを悪魔にいけにえとして引き渡した。エドマンドはアスランという「身代金」のゆえに、解放される。

“人の子(キリスト)は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」(マルコによる福音書10:45)”

 キリストは人類を悪魔の支配、罪と死の支配から解放するために、自らを身代わりのいけにえとして捧げて人類を救いだす救い主である。(エドマンドを悪魔の支配から解放するために自らをいけにえとして捧げるアスランはキリストを示唆している)

⑤アスランは魔女を始めとする悪魔達によって殺されてしまうが、復活して魔女を滅ぼす。
  キリストは十字架で殺されてしまうが、三日目に復活して、罪と死に完全に勝利する。

“人の子(キリスト)は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」(ルカによる福音書24:7)

⑥魔女を滅ぼしたアスラン王は、ペベンシー家の4人の子供たちと共にナルニア国を治める。
 悪魔を滅ぼしたキリストは、終わりの日に再臨され、神の子とされたクリスチャン達と共に地上を治めるようになる。

いかがでしょうか?単なるファンタジー映画のように思える『ナルニア国物語』ですが、ここには数多くのキリスト教のモチーフが描かれています。実に聖書のことを知っていると、特にアメリカのハリウッド映画に数多くのキリスト教のテーマを発見することができます。ぜひ、皆さんも聖書を通して、隠された映画の中にある意味を探して見て下さい。