まずは恒例。
美容院に行った後だけ美人な私(笑)
排便時に出血があるという患者さん。
もともと痔があるからそのためかと思ってたのに、実は出血は腸だった、というパターン。残念ながらやはり結構遭遇します![]()
腸からの出血は、大きく分けて
①ポリープやガンなどのできもの(腫瘍)
②炎症(腸炎)
③血管性の出血
の3つがよく見られます。
で、大腸検査の必要性についてなんですが。これがねー、実はなかなか難しい。大腸専門の内科の医師だと、『一度でも出血があったなら大腸内視鏡検査はしておくべきだ』なんておっしゃる方もいますが、そうすると肛門科に来る方はほぼ全員に検査は必要ってことになる(←基本正しいとは思ってますが)。
一般的にはまず、40歳を超えると大腸がんが飛躍的に増えます。ですから、40歳を超えていて、出血を繰り返している人はとりあえずしておくべきでしょう。
じゃぁ40歳未満ならどうかというと。普通は少ないよと言うべきなんですが、うちの病院くらいに患者さんの数が多いと、時には20代のガンも見つけてしまうので、やはり若いから大丈夫とは逆に言えないし。まぁ、それは胃がんもですけどね。
胃がんと違うのは、大腸がんは若いからといってそんなに進行早かったり悪性度が高かったりということは少ないという点。もちろん全部ではありませんが。
逆に、かなり高齢になると、それまでにポリープなどが出来ていなければ大腸がんはまた減ってくるとも言われています。
で、自己判断のポイントとしては。
ガンの出血の場合は、血が出たり止まったりということがあまりない…かな(血が便の中に隠れちゃうことはあります)。
ポリープは小さいうちは、肉眼的には出たり止まったりするように見えることもありますが。成長するのが悪性度が高いものの特徴で、基本的には「出血が止まらない・増えていく」のは進行してるってこと。炎症だろうが腫瘍だろうが、どんな病気であったにしろよろしくない状態です。
また、がんやポリープが、おしりから近いとこにあれば目で見て出血はわかりますけど、腸のずっと奥のほうだったりすると、見た目では全然判らないこともありますしね。目で見て出血してなければガンはないのかと言えば、それも違うということになります。
炎症はね、これがまた自己判断が難しいんですよねー。
急性・一過性の腸炎なんてのもあって、自然に治ってたりとか。
強いてあげるなら、腸炎の特徴は、下痢と伴うパターンが多いこと、でしょうか。
気管支炎や肺炎だと、タンが増えるでしょう?あれと同じで、腸炎だと粘液などが増えるので、下痢になりやすい。・・・ただ、例外も結構あるんですけどねー![]()
腸炎なら命にかかわらないかといえば、肺炎と同じですからほっとけば命取りになるものもある。
あと、炎症ですから、腹痛や発熱を伴うこともあります。とりあえず、お腹が痛くて突然出血があれば、腸炎を疑うべきでしょうね。
腸炎はその病気によってなりやすい年齢が違うので、年齢は基準になりません。
血管性の出血とはつまり、「切れやすい血管を(たまたま)持っている」ということですね。血管の上をカバーする組織が薄かったりもろかったりして、ちょっとしたことで出血する。代表的なものとして『大腸憩室』があります←私も持ってます(⌒-⌒; )。普段は自覚症状がないことも多くて、たまたま検査で憩室(血管)が発見されたりする。
そのまま一生出血せずに過ごす人もたくさんいますが、血管から直接出血するので、時には大出血になることもあります。何度も繰り返すようだとその血管のある部分を処置する必要がある。手術だとか、血管をつめる処置だとかね。
これもまた、年齢や症状でははかりしれないわけで。
※あ、いぼ痔(痔核)の出血も基本血管性に入りますが、今回『大腸』がテーマなので割愛。
結局は。
「せっかく肛門科を頑張って受診したんだから、この機会に大腸の検査もしておきましょうよ」
ということなんですね。
