さて、患者さんに血液検査の結果を説明するとき

『貧血がありますね』と言うと、

『あ、子供の頃からです』と仰る方がいます。

こちらは、(あ、またかな汗)と思いながらも、

『子供の頃に血液検査をしてたんですか?』とちょっとイジワルに(^。^;)質問すると、若い人では大抵

『いえ、よく貧血で倒れてたので目
血液検査はしたことないです』と予想通りの答えが。

…それは脳貧血

貧血とは別物ですからーですからーですからー…(ー。ー)

というわけで。
とにかくここをはっきりさせなくてはっ爆弾

貧血は『血が薄い』状態
※ただし、『血の量が少ない』場合も含む
←ここが脳貧血とごっちゃにされる要因かも( ̄▽ ̄;)

人間の血液量は、体重の約1/13
体重60㌔の人なら、13で割って約4.6㌔(4.6㍑)

叫びちなみに、急激に血液の1/3を失うと命の危険があります((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

いわゆる貧血は、この血の量自体は減ってないけど、血が『薄く』なっている状態あせる

脳貧血は、脳に回っている血液『量』が減っている状態汗
薄いかどうかは基本関係ないドンッ

何故血液量が減るかというと、多くは

『重力』のなせる業ひらめき電球

血液って、『液』ですから、上から下へ落ちたがるという性質があります。

ですから、寝ている状態から起き上がると、それまで脳にあった血液はストンと下へ落ちたがるガーン

このときすかさず心臓、そして下半身は頑張って、脳の血液を保とうとするのですが、それが間に合わないと、『脳貧血』になる。

例えば、急に立ち上がった時に起こりやすい『立ちくらみ』
これが脳貧血のいい例です。

大抵は下半身がすぐに頑張るので、『くらっ台風』とか『すぅっガーン』くらいで倒れるとこまではいかないんですが。
間に合わないと意識を失って倒れますナゾの人

んで、倒れると重力がなくなってまた血が頭に戻るので、それで意識が戻ることが多いんですが…危ないので皆さん急に立ち上がるようなことは極力避けましょうね得意げ

また。
立ちくらみとは別に、長く立っていると倒れる人、いますよね。
朝の全校集会の時とか。

さっきも言いましたが、血液は下へ落ちたがる。
落ちた血は、いろんな力で上に戻さなきゃいけないんですが。
もうひとつ、血管が拡がっていると沢山の血液をためやすくなるので。
長く立っている場合には、下半身の血管を細くして、そもそも下に落ちにくくするとかという工夫もしているわけてす。

こういう、全身がいろいろ協調してうまく働くように整えているのが『自律神経』

小中学生が校長先生のオハナシでよく倒れるのは、まだ神経自体が未発達だから。

あと、睡眠不足とか(またもやこれが出てくる→)ストレスとかで自律神経の働きが落ちると起こしやすくなります。

脳だけじゃなく、心臓にまわる血液まで減っちゃうと大変なことになるし、大人になっても倒れちゃうような人は他の病気が隠れてることもあるので、一度循環器の専門医に診てもらう方がいいかも。

最近は、自律神経訓練治療…といっても支えがあるとこで長く立ってられるよう練習するという訓練らしいですがo(*⌒―⌒*)o
意外にこれが効くらしい音譜

というわけでおさらいひらめき電球

『脳貧血』は脳の血液量が減っている状態で、血液が薄いかどうかとは別の話。

つまり、子供の頃よく倒れていたからといって、それが『貧血』だったかどうかは分からないんですな(  -_・)
血液検査で言われていた、という場合以外は。
この患者さんの『貧血だった』というのはあてにならない、訳ですねべーっだ!

まずはここまで。
しっかりご理解お願いします(^^)