前回の記事『便失禁④』では、固い便が肛門につまって周りから軟らかい便がしみだしてくるタイプの失禁について話しましたが。

固い便になる理由としては、

・水分不足
・食事量の不足
・腸の蠕動運動の異常

の、いわゆる『便秘』のパターンが多いわけですが。

これ以外に、

・便意がわからない
→便が肛門まできているのに気付かない
→便を出す機会を逸してしまう
→便が固くなる

という、昔の分類でいう『直腸型便秘』のタイプも含まれます。

便意がわからなくなる理由は、『便意を我慢し過ぎた』頑張りやさんとか(^-^;
病気や怪我などによる神経障害、また認知症などが原因になることもありますね。


もうひとつ、これは少し亜型ですが、肛門科的には見過ごせないタイプがあるのです。

・肛門に便がきているのに、腸と肛門が連動しなくてうまく出せないでいるうちに、固くなってしまうタイプ=排便障害型

一般に、肛門に便が下りてきて直腸がある程度進展されると内肛門括約筋は弛み、排便への準備が進みますます。
トイレに入り、外肛門括約筋をゆるめて腹圧をかける…つまり息めば、肛門は下に向かって開き、排便がおこるはずなんですが。

いきむとかえって肛門括約筋が緊張し、いわば縮み上がってうまく開かなくて排便が出来ない、というまさに『排便障害』があって、結局出せなかった便が固くなるというパターンもあるのです。

ま、ここ『D型』に入るのは、一般的には全て『便秘』に分類されるわけですが。

細かく見ると便秘の原因が違うので、対処法もそれぞれ違ってくるわけですね(^^)

直腸に便が来た時点でもうすでに便が固いタイプには、食事生活指導や便秘薬。

直腸に便があるかないかがわからないタイプには、排便習慣をつける指導。

そして最後の、排便時に肛門が緊張して縮み上がるタイプには、『バイオフィードバック療法=排便練習』という治療を行います(o^・^o)


さてさて、あなたも便秘の対処、間違うと辛いですよ(*´・ω・`)b