
本をパラパラと開いていたとき。
飛び込んできた『ありがとう』の文字。
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『ありがとう』
私、決めていることがあるの。
この目が、ものを映さなくなったら目に、
そして、この足が動かなくなったら足に、
「ありがとう」って言おうと決めてるの。
今まで、見えにくい目が、
一生懸命見よう見ようとしてくれて、
私を喜ばせてくるたんだもん。
いっぱい、いろんなもの、素敵なものを見せてくれた。
夜の道も、暗いのに頑張ってくれた。
足もそう、私のために信じられないほど歩いてくれた。
一緒に、いっぱいいろんなところへ行った。
私を一日でも長く、喜ばせようとして、目も足もがんばってくれた。
なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき、
「なんでよー」なんて言っては、あんまりだと思う。
今まで、弱い弱い目、足が、どれだけ私を強くしてくれたか。
だからちゃんと、「ありがとう」って言うの。
大好きな目、足だから、こんなに弱いけど、大好きだから。
「ありがとう、もういいよ、休もうね」って言ってあげるの。
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障害児らとの交流を描いたドキュメンタリー映画『1/4の奇跡~本当のことだから~』
石川県の特別支援学校に勤務する山元加津子先生通称『かっこちゃん』を中心に作られた映画です。
2007年に自主製作映画としては異例の1000人を集客し、以後日本はもちろん世界のあちこちで上映会が催されています。
この詩に、もしも心が動かされたなら。
あなたも、この本を手にとって見て下さい。