今日は、医療に関する残念なニュースが二つあった。

一つは、鎌倉の歴史ある病院が経営困難におちいり、企業再生支援機構の指導のもと再建をはかることになったというもの。

もうひとつは、横須賀の病院が2つも、お産の取り扱いを休止するというニュース。
こちらの理由は、やはり医師不足である。

産婦人科医が増えないのは、激務もあるが、訴訟リスクが高いということも大きい。

最善を尽くしても救えない赤ちゃんはいるのだが、なかなか理解してもらえないと産婦人科医は言う。

訴訟そのものに取られるエネルギーというもあるが、最善を尽くしているのに『最善を尽くさなかったのでは』『医療ミスでは』と疑われること自体、医療への情熱を失わせることになりかねない。

もともと、ほとんどの医師は『人の役にたちたい』『たくさんの患者さんを助けたい』と思って医療を志しているのに。
このような状況の中では、せっかく医学部の定員を増やしても。

卒業生は、『人の生死にかかわらない』科にばかり進み。
専門化といえば聞こえは良いが、逆に言えば専門以外は診ないよという病院やクリニックが増えはしないか。

また、再生支援機構が入るということは。

リスクが高かったり手間のかかる患者さんは診ないで、『安全な』『時間をとられない』『お金になる』仕事ばかりをするようなことにならざるを得ないのではないのか。

社会と医療との信頼が薄れ。
こじれてしまった関係は、いかに修復していけばいいのだろう。
若い、理想に燃えた医師が、その情熱を失わず、安心して医療に従事できるようにするには、私たちにできることは何なのか。

今日のニュースで、考えこんでしまった。