前回
はアントラキノン系の生薬下剤についてお話しましたが。




下剤は、大腸を刺激して、腸をムリヤリ動かすことで便を肛門の方へ押し出そうというものである。


ただ。


他のことでもそうだが、身体は、刺激には慣れる。


以前は、少量の下剤でも腸が刺激されごろごろ~っと動いてくれたものが。


下剤に慣れると、ちょっとした刺激(食物繊維や、少量の下剤)くらいでは腸が動かなくなり。


そうすると、だんだんに下剤を飲む量が増え、腸が動かないからと飲む回数が増え・・・




気がついた時には、『下剤を飲まないと動かない腸』に。


更には、『下剤を飲んでも動かない腸』になってしまうかもしれない。




では。


下剤を飲むことが悪いことなのかといえば、そんなことはない。


便がたまってお腹が張って苦しくなったり、食欲が落ちたり、固い便をムリヤリ出してそれこそ痔になったりあせる


便秘には困ることがたくさんある。だから、それを改善することは必要であり、下剤も、その中で、必要な時に使うのは構わないしむしろ当たり前である。



ただしそれは、あくまでも「緊急措置」として使う場合だ。


風邪をひいたら風邪薬を飲むように。頭痛がすれば頭痛薬を飲むように。


便秘で辛いときに、下剤を飲むのは「緊急時」としては原則問題はない。

(※ただし、ガンなどで腸がふさがってしまっているような時に上から便を押し出そうとして使っていると、ひどいことになるので注意が必要ではある)


風邪が治ったのに、風邪をひかないように風邪薬を飲み続ける人はいないし。


頭痛が治ったのに、痛くならないように頭痛薬をずっと飲んでいる人も(ごく一部の医師から指示されている人を除いては)いないだろう。


なのに、何故、下剤は飲み続ける人がいるのだろうか?


ここに私は『漢方薬だから』『植物からできているから』『自然のものだから』という心理が潜んでいるのではないかと思うのである。


下剤で便が出たら、次は、便秘にならないように注意するのがスジだと思うのに。


安易に腸を刺激する下剤を使い続けると、『ちょっとした刺激ではビクともしない腸』になってしまう。


このことを、患者も、そして医師や看護師・薬剤師の中にも、軽視している場合が以前は多かった。


医師ですら『便は出てればいい』という考えのもとに。

「便秘?はい、お薬だしときます」と簡単にアントラキノンj系の下剤を処方していた。

そう、10年くらい前までは、本当にそういうことが多かったと記憶する(便秘と下剤①参照)

。。。。まだまだ続くようです、この話汗

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