前回は、皮下痔ろうは括約筋を触らないので、術後の後遺症が残らないという話をしましたが![]()
この、皮下痔ろうを通常「Ⅰ型痔ろう」と言います。
痔ろうは、括約筋との関係により、Ⅰ型~Ⅳ型に分類されます。数字が大きくなるほど深く筋肉を巻き込む形となります。
ですから、痔ろうと一口で言っても、単純で簡単なものから、複雑で難しいものまでさまざまであり、当然治療や手術の難しさも全く違います。
痔ろうだから、と悲観する必要はなく、むしろ単純で浅い痔ろうは手術も簡単で後遺症もほとんどなく、術後の痛みも意外に少ない方が多いです![]()
ただし、痔ろうはその「型分類」の診断が難しいため、浅い痔ろうだと思われて手術をされたのに治らない、ということがあるのですね![]()
つまり、痔ろうの場合は、きちんとした「型(程度)」診断が一番必要かつ重要
であるがために、専門医での診療が強く望まれる病気なのです。
手術法には、浅いものには再発を起こさないことを重視した「開放術式」を、深いものには括約筋機能を残すことを主眼に置いた「括約筋温存手術」を行います。
開放術式は、痔ろうのトンネルそのものを切り開く形で行うため、術後の再発がありません。そういう意味で非常に優れた術式ですが、痔ろうに巻き込まれた筋肉も開かれる形になるため、浅い痔ろうにしかできないのです。
これに対し、括約筋温存術式では、痔ろうをくり貫いて、後を縫い合わせ、上に粘膜を被せて細菌が入らないようにするという手術になります。
痔ろうを全部くり貫くか、途中までにするか。またくり貫いたあとがあまりに大きければ外から組織を持ってきて埋め込んだりと、痔ろうの状態に応じいろいろな方法があります

が、いろんな理由でくり貫いたところがうまくくっつかないこともありうるわけで。
くっつかなければ、次の治療を進めたりなど、術後もきちんと経過観察及び早期判断治療をしていく必要があるのです

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