そう悩んで肛門科を訪れる方は非常に多いです。

いぼ痔は、正式名称を『痔核』といいます。
肛門にある『静脈叢』という血管が集まっているところに血液が溜まり、膨らんだものをいい、肛門のふちにできる『外痔核』と肛門の奥にできる『内痔核』に分けられます。

この『内痔核』が排便時に肛門の外まで引きずり出されて出っぱってくるようになったものを『脱肛』と呼ぶこともありますが。
『いぼ痔』も『脱肛』も正式病名ではなくて、世間で使われる『通称』なんですよね。だから、とっても曖昧に使われていたりするわけで。

外側に出っ張りがある。だから、『私、いぼ痔だと思うんです』とおいでになる方は、とっても多いです。でも、実際にはそれが『痔核』という病気ではないことも結構あるんですよ。

で、私は、診察の後に正式な病名で、詳しく病気の説明をするんですが。
『えーと。それで、結局私はいぼ痔なんですか』と聞かれると、うーんと悩んじゃいますねあせる

患者さんにとっては、『いぼ痔かそうでないか』というのは生命線らしい、ということがわかったのは、肛門科医になってしばらくしてからでした。
いぼ痔じゃなければいい、というのも不思議ではありますが、どうも『いぼ痔は恥ずかしい』『いぼ痔はオジサンの病気』という強い思い込みが、世間にはあるんですね。

肛門科医から言えば、いぼ痔なんて、持ってない人間はいないのでガーン 『私にはいぼ痔があるんですか』と訊かれれば、『誰にでもあります』という答えになってしまう。

『私が悩んでるコレはいぼ痔ですか』ということであれば、やや答えやすいですが。それでも、『どこからをいぼ痔というのか』というのはかなり曖昧です。

そういう訳で、『いいおしりにはいい排便が大切ね』の大連載が終わったら、『痔とは何か』の大連載を始めなくてはいけませんね。道は遠いぞDASH!頑張れニコニコ