
一級河川の向こう岸に友達の家があったのだが、川を渡るには、古い吊り橋しかなかったんで。
この吊り橋、足元の板が一部割れてて下の川が見えるし、すれ違うのがやっとの幅なんで向かいから人が来ると橋にしがみつかないと危ないし。慣れてる友達は私たちがビビってるのを見て面白がって揺らすしね。
ただ、その川を渡ってしまうと四つ葉のクローバー

河原で石切りをしたり、石の上をとび回って鬼ごっこしたり、森でママゴトやかくれんぼ、秘密の打ち明け合いもしましたっけ。
小学三年生の時に、車も通れる大きく丈夫な橋がかかり、危ないからと吊り橋を渡ることは突然禁止されたけど。
私の子供の頃、楽しかった記憶は吊り橋の向こう側にたくさんあったので。
今となっては、その楽しさはその吊り橋そのものに象徴されるようになっている。
そして、思い出の場所と聞くと、吊り橋とそれにまつわる友人との楽しい時間が思い浮かぶのだ。