好きな匂いは? ブログネタ:好きな匂いは? 参加中

音と匂いは、記憶の深い部分に直結している気がします。何があったという具体的な記憶よりも、特にその時の気分・感情を思い出してしまい、なんとなく哀しくなったり嬉しくなったり。エピソードの方はまるっきり思い出せなかったりするんですけどねガーン

北陸の雪深い村で育った私の記憶は、雪の匂いに象徴されます。
11月、初雪がふりそうな前日は、雨とは微妙に違う,、大気の一部が凍っているような匂いを感じます。ああ、今夜は雪になるんだなと思いながら寝ると、朝にはすぐ裏の山の森がうっすら白くなっていて。実際家の回りはまだ積もってはいないけども、今年も冬がくるんだと身構えるようなうんざりするような、でもやっぱり初雪はとっても綺麗で少し嬉しくて。

そして12月、ある晩外に出ると急に「あ、雪の匂いだ」と強く思う日が突然くるのです。初雪の時とは違う、もっと深く、表面的なところではなくて頭のうしろ側で感じる、冷たさがしみこむような匂いです。

夜中に目が覚めて外を見ると外は白く明るく、しんしんとほんの数時間で30センチも積もる雪。

その、初雪のつもる様子の厳とした、また凛とした美しさそのものが、初雪の匂いとして身体に記憶されています。


朝になるともう下半身埋もれてしまう深さになっていて、父が雪かきをしてなんとか通れる道を作ってくれている。

何日かたち、新雪は根雪になり、雪の匂いはうんざりするものに変わり、春を待ちわびることになるけれど。

あの初めて雪が積もる前の、何かが身体に沈み込むような匂いというか鼻の感触は、冬休み・クリスマスなどへのわくわく感も伴っていて好きでした。