いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)ときたら次は痔ろう(痔瘻)です。




この病気は、肛門の奥に10コ前後ある「ポケット」に細菌感染が入り込み、そのポケットの中で細菌がどんどん増えると、そこの組織が食い荒らされ膿がたまる。

ポケット周りの組織は細菌に食い荒らされ、たまった膿がトンネル状になり、そのため痛みが生じて病院にいらっしゃることが多い。




膿がたまるから痛い。なので、切開して膿を出せば痛みは止まる。

しかし、感染のもとになったポケットと、膿がたまっていたトンネル部があるかぎり、また細菌感染し膿がたまることを繰り返す。

なので、もとになるポケットと、膿によってできたトンネル(これを痔ろうといいます)を治す手術をしなくてはならない。




よって痔ろうは手術しないと治らない(まぁ、細かい議論はいろいろありますが)、というのが定説です。






切開しただけで良くなった(痛みがとれた)のでそのままにしていたら、細菌によって食い荒らされトンネルが肛門の周りへ拡がって。

膿の出る孔がどんどん増えて「ハス痔(レンコンのように肛門な周りが孔だらけになる)」と言われる状態になったり。
長期間放置するとガン化したりするので、他の痔と同じように考えてはいけません。

といって、必要以上に怖がる必要もありませんニコニコ


時々、痔ろうは人工肛門になると思っている方がいますが、それはごくごく稀で、特殊な病気を持っている人だけです。

うちの病院では痔ろうの手術を年に1000例前後行っていますが、人工肛門はせいぜい10年に数例、特殊な状態にある場合だけ。



ただ、痔ろうは診断が一番大切ですので、とにかくきちんと「専門医」に診てもらいましょうね。
それが早くきちんと治る早道です。