訪問してくれる薬局の選び方 | 薬剤師の在宅医療奮闘記

薬剤師の在宅医療奮闘記

患者さんを助けるのは医師、看護師やケアマネージャーだけではありません。
薬物治療の担い手、薬剤師の活動を報告します。

在宅医療を行っている薬局が
近年、増えてきています。

これは、とても喜ばしいことですが
急速に増えてきたが為に、
クオリティの低いサービス提供をしている薬局が
ちらほら出てきています。

また、昔から在宅医療に力を入れている薬局においては、
新規参入薬局に取られまいと、
政治力を駆使しての患者の囲い込みが始まっています。

処方元の医師に対して接待をしたり
施設においては系列の施設を
全て担当させてもらえるようにしたり

ちなみに、これを悪いことだというつもりはありません
調剤薬局は営利団体なので当たり前の戦略だと思っています。

新規参入のクオリティが低いのは経験によって
改善されていくはずなので、問題ではないですが
既存の在宅医療の雄達は、
今まで築き上げた信頼を損なうような状況になりつつあります。

何故なら、薬剤師過剰時代が訪れると言われて

早10年

世の中の雇用のミスマッチと同様に
調剤薬局やドラッグストアなどでは、
薬剤師不足が続いていて、
人材不足による労働環境の悪化が進んでいます。
毎年、薬剤師が誕生しているんですけどね・・・。


在宅医療を行う場合、
薬剤師が患者さんの家に赴く必要性があるので、
単純にマンパワーが必要になってきます。

新規参入薬局は、
在宅医療が必要な患者さんを探すところから始まるので、
マンパワーと在宅患者数のバランスが良いことが多いです。

しかし、既存の在宅医療実施薬局においては
口コミ、営業によって在宅医療のお話が絶えずあります。

この時、現場のマンパワーを計算せず、
とりあえず、依頼を受けてしまうため、
定時では絶対に終わることが出来ない件数になってきます。

私の経験上、在宅医療患者受け持ち件数の限界は
薬剤師1人につき月に100人と考えています。

機械化や事務員に補助をしてもらっても150人が限界です。
これ以上超えてくると、絶対にサービスの質が低下します。

以前、月の受け持ち患者数が230名前後だった時、
居宅療養管理指導算定件数 およそ560件/月

3行薬歴

30秒服薬指導

になってしまいました。

これは、薬の配達をしているだけ
と言われても仕方のない状況です。

そして、そんなサービス提供を続けていて
良いわけがありません。
というか、算定要件を満たしているとはいえません。

決して、既存の老舗の在宅医療実施薬局が悪い
と言っているわけではなく
バランスが悪くなってきているから
是正しましょうということです。

もちろん中にはサービスのクオリティを下げずに
しっかりやっている薬局もあるとは思います・・・。

ただし、これらは私見ですが少数派だと思います。

では、私が考える
もし、薬剤師の訪問を依頼することになった時に
チェックすべきことを記載します。


①どこにある店舗が配薬してくれるのか
 近所にある方が断然良いです。

②薬剤師は何人いるか
 数名いる薬局の方が対応力があります。

③どれぐらいの件数を受け持っているのか
 マンパワーと受付件数のバランスでサービスの
 クオリティが変わってきます。

サービス内容を知る前に知っておくべきことは以上です。


続いてサービス内容についてですが、
正直なところ
どこの薬局を選んでも大きな差はありません。
もちろん在宅医療の老舗を選んだ方が、
安定したサービスを受けることができます。

強いて言えば

①他業種連携をしていて情報の共有が行われている
 忙しいと言って連携していないとこもあります

②訪問滞在時間が5分以上
 ぽいっと薬を置いていくだけの薬局もちらほら・・・。

③管理方法提案などサービスの見直しがある
 お薬カレンダー置いてこれ以上やってあげれない
 とか良くあります。

こんなところでしょうか・・・。

これについては、
サービス提供が始まってみないと分からないところですが、
先に挙げた質問をしとけば何となく見えてきます。

全ての薬局が高い水準で在宅医療を担っていければ
老舗の在宅医療実施薬局の負担を減らし
利益も減らしちゃいますが・・・。

患者さんの利益に繋がると思うので、
これからも、色々な情報を発信したいと思います。

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