マンションや戸建の部屋には、アルミ製品は、窓、面格子など多くの場所に使われています。内覧会でそのようなアルミ製品にキズをを見つけたら、当然、直してもらいたくなります。きれいに直りますので、キズを見つけたら不具合として指摘するべきなのですが、アルミ製品の場合には、話はちょっと複雑です。

写真は、マンションのベランダへ出るアルミドアの表面に、多くのこすり傷があったので、それを補修しているところです。補修の仕方は、写真のようなパテを傷の部分に塗りこみます。パテを塗りこんだら、その表面をサンドペーパーで滑らかにします。そして、アルミと同じ色の塗料を全体的に噴霧して仕上げです。車の傷を直す板金と同じです。補修をしますと、どこに傷かあったのか、全く分らなくなります。
ここまでは良いのですが、話が複雑と申し上げたのは、補修をすると微妙に表面の状態が変わってしまう、という点です。アルミ製品は押出し成型と言われる方法で作られます。成型される際に、独特のツヤとヘアラインと呼ばれる縦方向の繊細なスジが出来ます。錆び難い材料で塗装はしませんので、そのままで使われるわけです。
そういう表面を補修しますと、塗料を噴霧しますので、ツヤのある表面はなくなり、ほんの僅かですがザラザラした感じになってしまいます。また、本来塗装してないところを塗装しますので、長い間には色落ちの心配もあります。補修することによってキズは消えますが、元に戻らない部分もあります。ですので、アルミの表面のキズは、補修をするかしないか、キズの程度、位置によって変わってきます。(73)