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写真はマンションの建物です。ご覧頂くと、左側の高い建物と右側の低い建物の間は空いています。空けないで一体に作った方が簡単なのですが、どうしてこのように真ん中を区切って別の建物にしたのでしょうか?建物は、地震、風、熱、このような力を絶えず受けています。特に大きな力は地震です。耐震設計をする際には、重力の加速度の20%程度の力を横から受ける、と考えます。なぜ20%かと言いますと、過去の大地震がその程度の強さだったからです。過去の大地震とは、例えば関東大震災のように数百年に一度程度発生するものです。
どんな地震にも壊れない建物が理想ですが、そうすると建築費も上がり、骨組みが太く厚くなるので住める空間も狭くなります。一般の人も家を購入できて、気持ち良く住めて、となりますと、そこに、丈夫さと経済性・快適性など相反する条件が出て来てしまいます。
さて、建物の区切りの話しに戻ります。この区切りをエキスパンションジョイントと呼びます。エキスパンションとは伸びたり縮んだりすること、ジョイントはつなぎ目ですから、伸縮するつなぎ目になります。このつなぎ目は何のために設けるのでしょうか?答えは、大きな地震が来ても、建物同士がぶつからないようにするためです。右と左の建物では高さが異なります。高さが異なりますと、地震時の建物の揺れ方も異なります。建物が高い場合には、大きくゆっくり揺れますし、低い場合には、小さく早く揺れます。 揺れ方が異なりますので、地震時に、建物同士がぶつかって、大きな災害になってしまわないように、写真のように、棟と棟の間を離すわけです。
この離す間隔の目安は、建物の高さの1/100、つまり、30mの高さの建物であれば、30cmになります。これぐらい離れていれば、過去の大きな地震を想定して、ぶつからないでしょう、という事です。横から見ますと、このように全く別の棟になっているのですが、廊下はつながっていますので、そこの部分には、金属のエキスパンションジョイントカバーを設け、上を歩けるようにしてあります。