L-カルニチン
○L-カルニチン
L-カルニチンはタンパク質を構成するアミノ酸ではなく、組織や血液などに単独で存在する遊離アミノ酸の一種で、1905年にロシアの科学者が筋肉から発見し、ラテン語の肉を意味するカロ(caro)、カルニス(carnis)から名づけられた。生理機能の研究は1935年にドイツのライプツッヒ大学のシュトラックが論文を発表したことに始まる。L-カルニチンは脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過するために必要な物質である。
ミトコンドリアは糖質や脂質からエネルギーを算出する器官だが、分子の大きな脂肪酸はそのままでは通過できず、L-カルニチンと結合して初めて通ることができる。L-カルニチンは肝臓内で必須アミノ酸のリジンとメチオニンから合成されるが、20代をピークにその合成力は低下していく。L-カルニチンが不足すると、食品から摂取した脂肪分が燃焼できずに皮下脂肪に蓄積され、肥満を招くことになる。
2002年の食薬区分改正で非医薬品性分として表示されたことから、脂肪燃焼系アミノ酸として注目素材の一つとなった。L-カルニチンを多く含む食品は動物性食品が多く、特に羊肉に多く含まれている。2004年にはテレビの健康食品情報番組がこの話題を取り上げたことから首都圏を中心にジンギスカンブームが一気に広がった。魚介類では赤貝に多い。
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ココア
○ココア
ココアはチョコレート同じく、カカオの木になる果実の種子(カカオ豆)からつくる。カカオ豆を粉砕して殻を取り除き、焙煎、摩砕してから脂肪分(カカオバター)の一部を除去して粉末にしたものがココアパウダーである。何も加えていないココアパウダーを純ココア(ピュアココア)といい、乳製品や砂糖などを加えたものを調整ココアという。
ココアはミネラルに富んだ飲料である。ナトリウムとマンガン以外の全てのミネラル(銅、カリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、リン、カルシウム)が豊富に含まれている。ビタミン類ではビタミンB群が多い。また、コーヒーや紅茶にはない食物繊維を摂取できるのも特徴である。ココアの食物繊維は小麦ふすまなどに含まれている不溶性食物繊維のリグニンで、胆汁酸を吸着して体外に排出する作用がある。
ココアで注目される機能性成分としてカカオポリフェノールとテオブロミンがある。カカオポリフェノールには抗酸化作用に加え、ストレスへの抵抗性を高める作用がある。ストレス効果については竹田弘志(東京医科大学)がラットによる実験で明らかにしている(1997年、チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム)。テオブロミンはカカオ豆の苦味成分でカフェインと似た作用を持つが、カフェインより穏やかに作用する。集中力や記憶力を高めたり、気分をリラックスさせたりする効果がある。また、血管を拡張する作用があるため血流を良くして体を温める。
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ブナハリタケ
○ブナハリタケ
エゾハリタケ科のキノコ。ブナの倒木や立ち枯れに群生する扇状の食用キノコで、東北地方ではカノカとも呼ばれ、甘い芳香と歯ざわりのよさで昔から珍重されてきたが、最近では深山幻のキノコと呼ばれるほど採れなくなっている。
そのブナハリタケの人工栽培が1998年にキリンによって成功し、健康機能性の面でも注目のキノコとなった。現在、ブナハリタケの機能性として分かっているのは、(1)血圧降下作用、(2)血糖値効果作用、(3)脳機能改善、(4)発ガンプロセス抑制作用である。
キリンが行った血圧降下作用のヒト試験では、血圧が正常高値血圧、および低中リスクの軽症抗血圧の60人(30~59歳)を対象にもプラセボ摂取群とブナハリタケエキス摂取群の2グループに分けた。エキス摂取群の1日あたりのブナハリタケエキス摂取量は564mgで摂取期間は8週間。その結果、2週目頃からエキス摂取群に血圧の低下がみられ、8週間後には軽症高血圧(140~159mg)の人で平均10mmHg下がり、プラセボ群と比較して有意な差が認められた。この血圧降下作用はブナハリタケエキスに含まれているイソロイシンチロシンによるものだということが分かっている。イソロイシンチロシンはアミノ酸のイソロイシンとチロシンが結合したジペプチドで、血圧を上昇させるアンジオテンシン2を生成する酵素の働きを阻害する作用がある。イソロイシンチロシンを配合した飲料「ビー・フラット」(キリンビバレッジ)は血圧が高めの人の食品としてトクホ表示の許可を得ている。
ブナハリタケは糖尿病にも有効だとされる。空腹時の血糖値が105~140mg/dlの10人に、ブナハリタケ乾燥粉末を毎日1g食べてもらったヒト試験では、4週間後には10名全ての空腹時血糖値が摂取前に比べて低下したという結果が得られている。さらに、マウスを使った2型糖尿病モデルの動物実験で、ブナハリタケの摂取によってインスリン抵抗性が改善され、糖尿病の進行を抑えることが確認された。このほか、最近の研究では脳機能を改善する作用があることも分かってきている。
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