<2018年2月7日、アメブロ初掲載©>
(氏名表示権)
著作権法第19条第1項
著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
(試験問題)公表された論文の書誌情報を蓄積したデータベースにおいて、論文の著作者として誤った氏名を表示することは、当該論文の著作者の氏名表示権の侵害 となる とはならない場合がある。(H29出題、著・不第4問、×→○へ修文)
(試験問題)画家甲の描いた油絵の所有者乙が、当該油絵に付された甲のサインを消す行為は、その油絵を公に展示しない場合でも、甲の氏名表示権を侵害する。(H27出題、第48問、○)
・・油絵のサインを消す行為は、当該油絵の著作者の氏名表示権を侵害する行為に該当する。
(試験問題)短編小説が、作家の筆名を付して出版された。その作家の実名が周知になったとしても、その実名を付して当該小説を雑誌に掲載する行為は、氏名表示権の侵害となる。(H26出題、第51問、○)
・・著作者はその実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。
(試験問題)甲が書いた小説を、翻訳家を目指す学生乙が翻訳し、その翻訳物に原著作者として甲の氏名を表示しないことは、乙がその翻訳物を自己の家族である丙以外には見せなかったとしても、甲の氏名表示権を侵害 する しない。(H20出題、第12問、×→○へ修文)
・・翻訳物は二次的著作物。氏名表示権は、原著作物の二次的著作物が「公衆への提供又は提示」される場合に及ぶが、二次的著作物を家族に見せる程度であれば「公衆への提供又は提示」には該当しないと解される。
著作権法第19条第2項
著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示することができる。
著作権法第19条第3項
著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。
(試験問題)コンピュータプログラムの著作物を工業製品の一部に組み込む場合に著作者の表示を省略することは、仮に著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと しても 認められるときは、当該著作者の氏名表示権の侵害 となる とはならない。(H29出題、著・不第4問、×→○へ修文)
(試験問題)コンピュータ・プログラムの著作者の氏名を表示しなくとも、当該コンピュータ・プログラムを組み込んだ製品を販売することができる。(H25出題、第18問、○)
・・著作者名の表示は、著作者の利益を害するおそれがないと認められ、公正な慣行に反しない限り省略することができる場合がある。
(試験問題)カフェで、BGMとして楽曲を流す場合に、指名を表示しないとしても、著作者人格権の侵害とはならない。(H23出題、第4問、○)
・・著作者名の表示は、著作者の利益を害するおそれがないと認められ、公正な慣行に反しない限り省略することができる場合がある。
通常、BGMとしての楽曲の使用に当たり、指名は表示しない。
著作権法第19条第4項
第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
一 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。
二 行政機関情報公開法第六条第二項の規定、独立行政法人等情報公開法第六条第二項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第六条第二項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物の著作者名の表示を省略することとなるとき。
三 公文書管理法第十六条第一項の規定又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る。)により国立公文書館等の長又は地方公文書館等の長が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従つて著作者名を表示するとき。
