実用新案法第38条の2第1項
 前条第一項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、次項の規定による審判長の許可があつたときは、この限りでない。
 
 要旨を変更する補正は、「審判長」による許可があったときを除いて補正却下となる。
 実用新案登録無効審判の請求書の「補正」は要旨を変更することはできないが、審判長の許可があったときはこの限りではない。
 
実用新案法第38条の2第2項
 審判長は、前条第一項第三号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもつて、当該補正を許可することができる。
一 第14条の2第1項の訂正があり、その訂正により請求の理由を補正する必要が生じたこと。
二 前号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかつたことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。
 
  実用新案登録無効審判の請求書の「請求の理由」の補正が要旨を変更するものであったときであっても、補正が許可される場合があることを規定。
 
(試験問題)実用新案登録無効審判において、最初に指定された答弁書を提出することができる期間内に、実用新案権者が実用新案登録請求の範囲を減縮する訂正をした場合に、当該訂正により新たな無効理由を追加する必要が生じたときは、請求人は、審判長の許可を得て、当該無効審判の請求の理由を補正することができる。(H23出題、第19問、○)
・・審判長は、実用新案登録無効審判の請求書の要旨を変更する補正について許可をすることができる。
  新たな無効理由を追加するための実用新案登録無効審判の請求書の補正について審判長により許可を受けることができる場合がある。
 
(試験問題)実用新案登録無効審判の請求書につき、請求の理由の要旨を変更する補正が許可された。後日、その補正について、被請求人に答弁書提出の機会が与えられた。この場合、被請求人が願書に添付した明細書、実用新案登録登録請求の範囲又は図面について1回も訂正していなければ、被請求人は、その答弁書提出期間が経過するまでは、誤記の訂正を目的としてその明細書を訂正することが できる できない場合がある(H22出題、第40問、×→○へ修文)
・・本問の実用新案登録無効審判の請求書の要旨変更に係る補正の許可は、実用新案法第39条第2項による許可。
 実用新案法第39条第2項の規定による補正では、審判長は、相当の期間を指定して被請求人に答弁書を提出する機会を与えなければならない。
 しかしながら、実用新案登録無効審判請求の副本が被請求人へ「送達される前」に、請求人から要旨変更の補正の手続補正書が提出された場合、この要旨変更補正は認められない。
 
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(参考)
実用新案法第38条第1項
 審判を請求する者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
一 当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 審判事件の表示
三 請求の趣旨及びその理由
 
実用新案法第14条の2第1項
 実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正を一回に限りすることができる。
一 第13条第3項の規定による最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があつた日から2月を経過したとき。
二 実用新案登録無効審判について、第39条第1項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。
 
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実用新案法第38条の2第3項
 前項の補正の許可は、その補正に係る手続補正書が次条第一項の規定による請求書の副本の送達の前に提出されたときは、これをすることができない。
 
 審判長は、実用新案登録無効審判の請求があったときは、被請求人(実用新案権者)に請求書の副本を送達して、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。
 しかしながら、実用新案登録無効審判の請求書の副本が審判長から被請求人(実用新案権者)へ「送達される前」に、請求人から実用新案登録無効審判の請求書の要旨の変更に係る補正の手続補正書が提出された場合は、審判長は請求人に対して、実用新案登録無効審判の請求書に対する答弁書の提出の機会を与えることはできない。
 
  請求人 → 実用新案登録無効審判の請求書 → 特許庁長官へ提出(実用新案法第38条第1項)
  審判長 → 請求書の副本 → 被請求人(実用新案権者)へ送付し答弁書提出の機会を与える。(第39条第1項)
  請求人 → 請求書の手続補正書を提出 → 要旨変更補正であっても審判長により許可される場合がある(第38条の2第2項)
  しかしながら、審判長から被請求人(実用新案権者)への実用新案登録無効審判の請求書の副本の送達前に、請求人から、請求書の手続補正書が提出された場合、請求人からの要旨変更補正は許可されない。(第38条の2第3項)
  【実用新案法第37条、第37条の2、第38条は各条文が複雑に絡み合い、難解!理解できひん!!】
 
実用新案法第38条の2第4項
 第二項の決定又はその不作為に対しては、不服を申し立てることができない。