意匠法第23条
  意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。ただし、その意匠権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
 
 意匠権者は、「登録意匠」及び「これに類似する意匠」の実施する権利を占有する。
 ただし、その意匠権に「専用実施権」を設定したときは、専用実施権者が当該権利を占有する範囲について、意匠権者は実施する権利を有していない。
 
(試験問題)甲が乙に対し、登録意匠イに係る意匠権について、専用実施権を設定している場合、甲による登録意匠イ及びこれに類似する意匠の実施は制限されるが、甲は、当該専用実施権を侵害している丙に対し、当該意匠権に基づく差止請求権を行使できる。(H23出題、第13問、○)
・・意匠権者は、専用実施権を設定したとき、その登録意匠及びこれに類似する意匠について権利を有さないが、専用実施権を設定した特許権者は「差止請求権を有する」との判例があり(最判平17.6.17)、意匠法にもこの判示が適用されると整理できる。
 
(試験問題)意匠に係る物品を「鍋」として、鍋の取手部についての部分意匠の意匠登録を受けた意匠権者は、業として鍋 用に用いられる 取手部についての部分意匠及びそれと類似する意匠の実施をする権利を占有する。ただし、専用実施権は、設定されていないものとする。(H21出題、第54問、×→○へ修文)
・・物品が「鍋」の場合のその取手部の部分意匠と、物品が鍋用に用いられる「取手」の部分意匠は物品として非類似である点に注意。