<2017年10月2日、アメブロ初掲載 ©>
意匠法第9条第1項
同一または類似の意匠、
異なった日に2以上の意匠登録出願があったとき、
最先(さいせん)の意匠登録出願人のみが意匠登録を受けることができる。
(試験問題)先願意匠イの類似範囲に、後願意匠ロが含まれる場合、意匠イに係る意匠登録出願の出願人と意匠ロに係る意匠登録出願の出願人が同一 であれば であっても、先願意匠イの存在を理由として、意匠ロに係る出願が拒絶されること はない がある。(H30出題、意匠第6問、×→○へ修文)
(試験問題)甲は意匠イを創作し、意匠イについて意匠登録出願Aをした。その後、甲は意匠ロを創作し、意匠ロについて、意匠イが意匠公報に掲載される前に意匠登録出願Bをした。その後、出願Aは登録され意匠イは意匠公報に掲載された。ところが、出願Aの出願後、出願Bの出願前に、第三者が、意匠イには類似しないが意匠ロに類似する意匠ハについて意匠登録出願していた。
この場合、出願Bは、出願Cの存在を理由として拒絶される場合 はない がある 。(H29出題、意匠6、〇)
・・甲が意匠イについて意匠登録出願Aをし、意匠公報に掲載された。
意匠イが意匠公報に掲載される前に、意匠ロについて意匠登録出願Bをした。
第三者が、意匠イの出願後、意匠ロの出願前に意匠ロに類似する意匠について意匠登録出願をしていた。
この場合、意匠登録出願Bは、類似する意匠の先願の存在により拒絶される場合がある。
(試験問題)甲の意匠登録出願Aに係る意匠イと、乙の特許出願Bに係る発明ロが同一の形状にか係る場合において、AとBの出願が同日にあったとき、甲と乙の協議により定めた一の出願人のみがイについての意匠登録又はロについての特許を受けることができる との規定はない。(H17出題、第50問、×→○へ修文)
・・意匠登録出願と特許出願の間では先後願は判断されず、いずれも権利化される場合がある。
意匠法第9条第2項
同一又は類似の意匠について同日に2以上の意匠登録出願があつたときは、意匠登録出願人の協議により定めた一の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その意匠について意匠登録を受けることができない。
同一または類似の意匠、
同日に2以上の意匠登録出願があったとき、
意匠登録出願人の間の協議により定めた出願人のみが意匠登録を受けることができる。
協議が成立しない、協議することができない場合、
誰も意匠登録を受けることはできない。
(試験問題)「一組の応接家具セット」の意匠登録出願A及び、当該組物を構成する「テーブル」に係る意匠に類似する意匠についての意匠登録出願Bが、同日に、他人によりなされる場合、AとBは、意匠法第9条第2項に規定する協議の対象 となる とはならない。(H24出題、第25問、×→○へ修文)
・・組物の意匠と、その組物を構成する一物品の意匠は、物品として非類似。
(試験問題)意匠イによる意匠登録出願A及び、イに類似する意匠ロに係る意匠登録出願Bが、同日に、同一人によりされた場合、AとBはい商法第9条第2項に規定する協議の対象とはならない となる。(H24出題、第55問、×→○へ修文)
・・同一人による出願の有無にかかわらず、同一又は類似の意匠について同日に2以上の意匠登録出願があったときは、協議により定めた一の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。
(試験問題)甲の意匠登録出願Aに係る「護岸用ブロック」の意匠イと、乙の特許出願Bに係る「護岸用ブロック」の発明ロが同一の形状であった。この場合、AとBが同日にされたとき、甲と乙の協議により定めた一の出願人のみがイについて意匠登録、あるいはロについて特許を受けることができる との規定は意匠法、特許法ともない。(H20出題、第35問、×→○へ修文)
(試験問題)甲が組物全体として統一がある「一組のオーディオ機器セット」に係る組物の意匠について意匠登録出願Aをし、Aと同日に、乙がAに係る組物を構成する物品である「スピーカーボックス」の意匠に類似する意匠の意匠登録出願Bをしたとき、AとBは意匠法第19条第2項に定める協議の対象となる場合 がある はない。(H19出題、第47問、×→○へ修文)
・・組物の意匠「一組のオーディオ機器セット」とそお構成物品「スピーカーボックス」の意匠は別意匠であり、類似の関係にはない点に注意。
(試験問題)甲が意匠イについて意匠登録出願をし、これと同日に、乙が意匠イの一部と類似する部分意匠ロについて意匠登録出願をしたとき、甲と乙は、意匠法第9条第2項の協議を命じられる場合がある はない。(H19出題、第57問、×→○へ修文)
・・甲、意匠イの意匠登録出願
乙、意匠イの一部と類似する部分意匠ロの意匠登録出願(甲と同日出願)
例えば、先に部分意匠の意匠登録出願がされ、後日に全体意 匠の意匠登録出願がされたとき、あるいは同日に全体意匠の意匠登録出願と 部分意匠の意匠登録出願がされたときは、仮にそれぞれの意匠登録出願の願書の「意匠に係る物品」の欄に記載された物品の区分が同一であっても、全体意匠の意匠登録出願と部分意匠の意匠登録出願とは、いずれの場合も意匠法第9条第1項又は第2項の規定の適用については判断しない。 (意匠法審査基準61.1.1)
(試験問題)「シャープペンシル」、「ボールペン」及び「万年筆」を構成物品とする「一組の筆記具セット」の組物の意匠イについての意匠登録出願と、「シャープペンシル」、「ボールペン」及び「マーキングペン」を構成物品とする「一組の筆記具セット」の組物の意匠ロについての意匠登録出願とが同日にあったとき、意匠イとロについて意匠登録出願人が協議をしなければならない場合はない がある。(H19出題、第57問、×→○へ修文)
・・同日に出願された組物の意匠Aと組物の意匠Bの間で類似の関係が生じる場合があり、意匠登録出願人が協議をしなければならない場合がある。
意匠法第9条第3項
意匠登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その意匠登録出願は、前二項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。ただし、その意匠登録出願について前項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。
意匠登録出願が「放棄」、「取下」、「却下」、「拒絶査定・審決が確定」したとき、その意匠登録出願の「先願」の地位は、消滅する。
ただし、同一の日に出願された同一又は類似の意匠の、一の出願人を定める協議が成立しない、協議をすることができず意匠登録を受けることができない場合で、意匠登録を受けることができなかったとき(=拒絶査定または審決が確定したとき)については、先願の地位は消滅しない点に注意。
(試験問題)先願意匠イの類似範囲に、他人が出願した後願意匠ロが含まれる場合、意匠イに係る出願が放棄された場合であっても、意匠ロ が登録されることはない は登録されることがある。(H30出題、意匠第6問、×→○へ修文)
・・意匠登録出願が「放棄」されたとき、その意匠登録出願の先願の地位は消滅する。
(試験問題)甲は意匠イについて平成26年10月1日に意匠登録出願Aをし、意匠イに類似する意匠ロについて平成27年8月1日に意匠登録出願Bをした。出願Aの審査において、乙が出願Aと同日に出願した意匠ハについての意匠登録出願Cの存在を理由として、意匠法第9条第2項に該当する旨の拒絶理由の通知を受けた。甲と乙の協議は成立せず、両出願とも拒絶をすべき旨の査定が確定し、平成27年7月1日意匠公報に掲載された。この場合、出願Bは、出願A、出願Cの存在を理由として拒絶される場合 はない がある。(H29出題、意匠6、×→○へ修文)
・・同一の日に出願された同一又は類似の意匠の、一の出願人を定める協議が成立しない、協議をすることができずに意匠登録を受けることができない場合で拒絶査定又は審決が確定したとき、先願の地位は消滅しない点に注意。
・・類似する出願Aと出願Cは同日出願。Bは(A、Cに類似するか否かは確認されていないが)
AとCの協議が成立せずに意匠登録を受けることができない場合、AとCの先願の地位は消滅しない。
そのため、後願の出願Bは、A、Cの先願の地位の存在により拒絶される場合がある。
(試験問題)甲は意匠イを創作し、意匠イについて意匠登録出願Aをした。その後、甲は意匠ロを創作し、意匠ロについて、意匠イが意匠公報に掲載される前に、意匠登録出願Bをした。その後、出願Aは登録され意匠イは意匠公報に掲載された。ところが、出願Aの出願後、出願Bの出願前に、第三者が、意匠イと意匠ロの双方に類似する意匠ハについて意匠登録出願Cをした。
この場合、出願Bは、出願Cの存在を理由として拒絶される場合はない。(H29出題、意匠6、×→○へ修文)
・・甲が意匠イを創作し意匠登録出願Aをした。
その後、甲は意匠ロを創作し(意匠イが意匠公報に掲載される前に)意匠登録出願Bをした。
その後、出願Aは登録され、意匠イは意匠公報に掲載された。
ところが出願Aの後、出願Bの出願前に、第三者が意匠イと意匠ロの双方に類似する意匠ハについて意匠登録出願Cをした。
・・この場合、意匠イに類似する意匠登録出願Cの意匠ハは、先願の意匠登録出願Aを理由に拒絶される。
このため、意匠登録出願Cは先願の地位を有さず、意匠登録出願Cに類似する意匠登録出願Bは出願Cの存在を理由として拒絶される場合はない。
(試験問題)互いに類似する意匠について意匠登録出願A及びBが同日になされた場合、Aの出願人が意匠の創作をした者でない者であって意匠登録を受ける権利を承継しないものであるときは、意匠法第9条第2項の規定の適用については、 拒絶の査定又は審決が確定していないときは、 Aは、はじめからなかったものとみなされない。(H25出題、第43問、×→○へ修文)
・・先願の拒絶の査定又は審決が確定したときは、先願の意匠登録出願はなかったものとみなされる。
(試験問題)甲が自ら創作した組物の意匠イに係る意匠登録出願A及び乙が自ら創作したイに類似する組物の意匠ロに係る意匠登録出願Bが同日になされ、甲及び乙の協議により、Aを放棄した。その後、Bは、ロは意匠法第3条第1項第3号に該当することを理由として、拒絶をすべき旨の査定が確定した。この場合、A及びBの出願の日後に、丙がイ及びロに類似する組物の意匠ハに係る意匠登録出願Cをしたとき、丙は、ハについて意匠登録出願を受けることができる場合 はない がある。(H24出題、第29問、×→○へ修文)
・・意匠登録出願が放棄された場合、その意匠登録出願は先願の地位を失う。
・・拒絶査定が確定した意匠登録出願は、先願の地位を失う。
・・先願の意匠登録出願に類似する後願であっても、先願が放棄、取下、却下、拒絶査定・審決が確定すれば先願の地位を失うので、意匠登録出願を受けることができる場合がある。
(試験問題)甲は、意匠イに係る意匠登録出願Aの願書に添付された図面についてした補正が、要旨を変更するものとして却下されたため、補正後の意匠ロについて意匠法第17条の3の規定による新たな意匠登録出願Bをした。その後、乙がイにのみ類似する意匠ハに係る意匠登録出願Cをしても、Cは、Aの存在を理由として、意匠法第9条第1項の規定より 拒絶される 拒絶されない。(H24出題、第55問、×→○へ修文)
・・意匠登録出願が「却下」され、補正後の意匠について新たな意匠登録出願が行われたとき、その最初の意匠登録出願の先願の地位は消滅する。
(試験問題)意匠登録出願Aに係る意匠イについて拒絶をすべき旨の査定が確定したとき、Aの出願の日後に他人が出願したイに類似する意匠ロは、意匠登録を受けることができる場合はない がある。(H23出題、第22問、×→○へ修文)
・・「意匠登録出願」が放棄、取下、却下、拒絶査定・審決確定したとき、その意匠登録出願の先願の地位は消滅するため、先願の出願の日後に出願された意匠に類似する意匠は意匠登録を受けることができる場合がある。
(試験問題)意匠登録出願Aに係る意匠イについての設定の登録後に当該意匠権を放棄した場合、Aの出願の日後、Aの意匠公報の発行の日前に、他人によりなされた意匠登録出願Bに係る意匠ロがイに類似するとき、Bは、Aを先願とする理由で拒絶されることはない がある。(H23出題、第22問、×→○へ修文)
・・「意匠登録出願」が放棄、取下、却下、拒絶査定・審決確定したとき、その意匠登録出願の先願の地位は消滅するが、「意匠権」が放棄されたとき、先願の地位が消滅するとの規定はない。
(試験問題)甲は、意匠登録出願Aに係る意匠イについての甲の意匠登録に対し、意匠法第3条第1項第3号に該当することを理由とする意匠登録無効審判が請求され、その登録を無効にすべき旨の審決が確定した。この場合において、乙が、Aの出願の日後であってイが意匠公報に掲載される前に、イに類似する意匠ろについて意匠登録出願Bをしたとき、乙は、ロについて意匠登録を受けることができない。(H20出題、第35問、〇)
・・「意匠登録出願が放棄、取下、却下、拒絶査定・審決確定したとき、その意匠登録出願の先願の地位は消滅するが、意匠登録後、意匠登録無効審判により無効になった意匠登録の先願の地位は消滅しない点に注意。
(試験問題)甲が組物の意匠イについて意匠登録出願Aをし、その出願の日後に、乙がイに類似する組物の意匠ロについて意匠登録出願Bを行った。イは組物全体として統一がないことを理由として、Aについて拒絶をすべき旨の査定が確定した。この場合、Bに係るロは、Aの存在を理由として意匠登録を受けることができない ことはない。(H18出題、第34問、×→○へ修文)
・・意匠登録出願の拒絶査定が確定したとき、当該出願は先願の地位は消滅する。ただし、同日に出願された同一又は類似の意匠について、出願人を定める協議が成立しなかった場合、先願の地位は消滅しない。
意匠法第9条第4項
特許庁長官は、第二項の場合は、相当の期間を指定して、同項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を意匠登録出願人に命じなければならない。
同一または類似の意匠、
同日に2以上の意匠登録出願があったとき、
意匠登録出願人の間の協議により定めた出願人のみが意匠登録を受けることができる。
協議が成立しない、協議することができない場合、
誰も意匠登録を受けることはできないが(意匠法第9条第2項)、
この場合、特許庁長官は、相当の期間を指定して、協議をしてその結果を届け出るよう出願人に命じなければならない。
意匠法第9条第5項
特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第2項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。
同一または類似の意匠、
同日に2以上の意匠登録出願があったとき、
意匠登録出願人の間の協議により定めた出願人のみが意匠登録を受けることができる。
協議が成立しない、協議することができない場合、
誰も意匠登録を受けることはできないが(意匠法第9条第2項)、
この場合、特許庁長官は、相当の期間を指定して、協議をしてその結果を届け出るよう出願人に命じたものの(意匠法第9条第4項)、
協議結果の届け出がなかった場合、長官は、協議が成立しなかったと「みなす」ことができる。
