(登録の効果)

特許法第98条1項

 次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。

 一 特許権の移転(相続その他一般承継によるものを除く。)、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限

 

 ①特許権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、②信託による変更、③放棄による消滅、④放棄による処分の制限は、特許庁に「登録」しなければ、その効力を生じない。

 

 特許権の移転は、「相続その他の一般承継」の場合を除いて、登録しなければ、その効力を生じない。

 

(試験問題)特許権の相続による移転は、登録しなくてもその効力を生ずるが、相続人がその特許権を放棄した場合には、放棄による特許権の消滅は登録しなければその効力を生じない。(H26出題、第52問、○)

・・特許権の放棄による消滅は、登録しなければその効力を生じない。

 

(試験問題)特許権の消滅に関し、登録が効力発生の要件として特許法に規定されているのは放棄による消滅のみである。

(H24出題、第34問、○)

・・「特許権の移転」、「信託による変更」、「放棄による消滅」、「放棄による処分の制限」は特許庁に「登録」しなければその効力を生じない。

 

(試験問題)株式会社である特許権者が他の株式会社と合併して消滅した場合でも、 相続その他の一般承継によるものを除いて、移転の登録がなされるまでは、存続会社又は新設会社への特許権の移転の効力が生じることはない。

(H17出題、第23問、×→○へ修文)

・・相続その他の一般承継による特許権の移転については、特許庁への登録がなくてもその効力を生じる。

 

 二 専用実施権の設定、移転(相続その他一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は特許権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

 

 専用実施権の設定、移転、変更、消滅、処分の制限は、登録が必要。

 ただし、相続その他一般承継の場合、専用実施権の移転の登録は必要ない。

 また、専用実施権が混同又は特許権の消滅により消滅する場合、その専用実施権の消滅の特許庁への登録は必要ない。

 

(試験問題)特許権者は、専用実施権があるときは、専用実施権者の承諾を得なければ、その特許権を放棄することができないができず、また、特許権を放棄したことによる専用実施権の消滅は、 当該登録の消滅がなくてもその効力を生じる 当該消滅の登録をしなければ、その効力を生じない(H25出題、第48問、×→○へ修文)

 

 三 特許権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

 

 特許権又は専用実施権に係る質権の設定、移転、変更、消滅、処分の制限は、登録が必要。

 ただし、相続その他の一般承継の場合、質権の移転の登録は必要ない。

 また、質権が混同又は債権の消滅により消滅する場合、その質権の消滅の特許庁への登録は必要ない。

 

(試験問題)甲と、特許権Aに係る特許発明をしたい乙との間で、乙に対し特許権Aについて専用実施権を設定する旨の契約が締結されれば、直ちに専用実施権の効力が生じる わけではなく、契約締結後、登録しなければその効力を生じない(H30出題、特許・実用新案第第3問、×→○へ修文)