(特許権の移転の特例)
第74条第1項(H23新設)(H25出題)
特許が第123条第1項第2号に規定する要件に該当するとき(その特許が第38条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第6号に規定する要件に該当するときは、当該特許に係る発明について特許を受ける権利を有する者は、経済産業省令で定めるところにより、その特許権者に対し、当該特許権の移転を請求することができる。
本規定は、平成23年度の一部改正で新設された「移転請求権」に係る規定。
特許が共同出願違反(特許法第38条違反)に該当する、又は冒認出願に該当するとき、当該特許に係る発明について「特許を受ける権利を有する者」は、当該特許権の移転を請求することができる。
「移転請求権」は、共同出願違反または冒認出願により、特許権者となることができなかった者がその権利を取り戻すことを可能にする権利。
共同出願違反(特許法第38条違反)は、拒絶理由。(特許法第49条第2号)であり、無効理由(特許法第123条第1項第2号)
(参考)特許法第123条第1項第2号、第6号(特許無効審判)(H23改正)
特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。この場合において、2以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
二 その特許が第25条、第29条、第29条の2、第32条、第38条又は第39条第1項から第4項までの規定に違反してされたとき(その特許が第38条の規定に違反してされた場合にあつては、第74条第1項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
六 その特許がその発明について特許を受ける権利を有しない者の特許出願に対してされたとき(第74条第1項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
(参考)第38条(共同出願)
特許を受ける権利が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、特許出願をすることができない。
(参考)特許法第49条(拒絶の査定)(H23改正)
審査官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
二 その特許出願に係る発明が第25条、第29条、第29条の2、第32条、第38条又は第39条第1項から第4項までの規定により特許をすることができないものであるとき。
(参考)特許法第123条第1項(特許無効審判)(H23改正)
特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。この場合において、2以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
二 その特許が第25条、第29条、第29条の2、第32条、第38条又は第39条第1項から第4項までの規定に違反してされたとき(その特許が第38条の規定に違反してされた場合にあつては、第74条第1項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
(試験問題)特許がその発明について特許を受ける権利を有しない甲の特許出願に対してされた場合、当該特許に係る発明について特許を受ける権利を有する乙は、経済産業省令で定めるところにより、甲に対し、特許権の移転を請求することができ、当該請求に基づく特許権の登録があったときは、特許庁長官は、乙に対し、特許証を交付する。(H25出題、第53問、○)
(参考)特許法第28条第1項(特許証の交付)(H23改正)
特許庁長官は、特許権の設定の登録があったとき、第74条第1項〔特許権の移転の特例〕の規定よる請求に基づく特許権の移転の登録があったとき、又は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは図面の訂正をすべき旨の審決が確定した場合において、その登録があったときは、特許権者に対し、特許証を交付する。
