第71条の2第1項

 特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があったときは、3名の審判官を指名して、その鑑定をさせなければならない。

  

 裁判所から特許発明の技術的な範囲についての「鑑定」の嘱託があったときは特許庁長官がすべきことを規定。

 例えば、裁判所が、特許侵害訴訟についてその特許発明の技術的範囲について民事訴訟法第218条に基づく判定を特許庁に嘱託してきたとき、本規定(特許法第71条の2第

1項)に基づき、特許庁は鑑定を実施することになる。

 特許発明の技術的範囲についての「鑑定」は3名の審判官が行うが(特許法第71条の2第1項)、「審判」は、3人又は5人の審判官の合議体が行う。(特許法第136条第1項)

 

(参考)民事訴訟法第218条第1項(鑑定の嘱託)

 裁判所は、必要があると認めるときは、官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は相当の設備を有する法人に鑑定を嘱託することができる。この場合においては、宣誓に関する規定を除き、この節の規定を準用する。
(参考)民事訴訟法第218条第2項(鑑定の嘱託)
 前項の場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、官庁、公署又は法人の指定した者に鑑定書の説明をさせることができる。

 

(試験問題)特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があったときは、3名の審判官を指名して、その鑑定をさせなければならない。(H23出題、第46問

、〇) 

 

(試験問題)特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があったときは、3名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。(H23出題、第46問、○)

 

第71条の2第2項

 第136条第1項及び第2項、第137条第2項並びに第138条の規定は、前項の鑑定の嘱託に準用する。

 

 特許法第136条第1項及び第2項は、審判の合議制に係る規定。

 特許法第137条第2項は、審判を行う審判官に係る規定。

 特許法第138条は、審判を行う審判官のうちの一人を審判長に指定するための規定。

 裁判所からの鑑定の嘱託があったとき、特許庁長官が指名する3名の審判官は、審判の進め方に係る特許法上の規定に基づいて鑑定を行うことを規定。

 

(参考)特許法第136条第1項(審判の合議制)

 審判3人又は5人の審判官の合議体が行う。

(参考)特許法第136条第2項(審判の合議制)

 前項の合議体の合議は、過半数により決する。

 (参考)特許法第137条第2項

 特許庁長官は、前項の規定により指定した審判官のうち審判に関与することに故障がある者があるときは、その指定を解いて他の審判官をもつてこれを補充しなければならない。

(参考)特許法第138条第1項(審判長)

 特許庁長官は、前条第1項の規定により指定した審判官のうち1人を審判長として指定しなければならない。

(参考)特許法138条第2項(審判長)

 審判長は、その審判事件に関する事務を総理する。