現在、結婚10年目で妻Bは専業主婦で、2人の間には8歳になる息子Cがいた。
そんな男性Aだが、妻Bが2年間全く口を利かずに無視し続けることに悩んでいた。2年前に男性Aが夫婦喧嘩の際に妻Bに対して「誰のおかげで飯が食えてると思ってんだ!」と口走ってしまったことが切っ掛けだと考えられる。それ以来、妻Bは家事こそは確りと熟すものの、この2年間は男性Aを一切無視し続け、話し合いさえも応じようとしない。
そんなことが続いたある日、男性Aは妻Bに離婚を宣告するが、妻Bはメールで「世間体や息子Cのこともあり、離婚には応じられない。」と反論。
果たして、2年間も無視する妻と離婚出来るのか?
北村弁護士の見解:離婚出来る
「これは離婚できます。一緒にいるのも本当は嫌なんです、と。ただお金の為に一緒にいます、そういうメッセージを2年間ずっと発せられているわけですよ。これは男としては耐えられない。本来ならば男は改善しようとするんですけど、それでも妻が拒否するというのであれば、婚姻を継続しやすい重大な事由がある、と言わざるを得ません。」
- 本村弁護士の見解に対して -
「会話のない夫婦はいくらでもいる、これが本村弁護士の考えです。今回の場合は単に会話がない夫婦ではなくて毎日毎日夫に対して「あなたの事は嫌い」「顔も見たくありません」とずっと言われ続けている事と一緒の夫婦なんです。2年ですよ。人生そんなに長いですか?」
- 本村弁護士の見解に対して -
「会話のない夫婦はいくらでもいる、これが本村弁護士の考えです。今回の場合は単に会話がない夫婦ではなくて毎日毎日夫に対して「あなたの事は嫌い」「顔も見たくありません」とずっと言われ続けている事と一緒の夫婦なんです。2年ですよ。人生そんなに長いですか?」
菊地弁護士の見解:離婚出来る
「破綻の期間が長すぎる。今の裁判所は夫婦関係が破綻して2年間も継続してたら、離婚を認めますよ。そういう判決もらっていますからね。」
北村・菊地弁護士の見解は極めて合理的。妻Bが家事を確りと熟していれば夫である男性Aに何をしても許されるわけではない。会話が一切なく、妻Bが男性Aを一方的にし続ける状況が2年間も続いていると言うことは最早この2人の関係は夫婦どころか同居人以下であり、これで夫婦関係が破綻していないと判断するのには無理がある。夫婦関係を良好かつ円滑にするにはコミュニケーションが重要である。そして、持ちつ持たれつの関係を維持し続けることもまた重要である。それは夫婦関係だけでなく、職場等でも同じことだと言えるだろう。
大渕弁護士の見解:離婚出来ない
「そもそも夫婦仲が悪くて別居をして一切コミュニケーションを取っていない状況で2年が経過したとしても、それだけで離婚が認められることはない、今の裁判の実務なんですね。今回のケースは別居よりははるかにコミュニケーションがあるわけですよ。この状況では離婚は絶対に認められない。」
本村弁護士の見解:離婚出来ない
「この夫婦は理想的な夫婦には程遠いです。最低の夫婦といってもいいでしょう。ただ、法律は最低の夫婦で構わないんです。最低以下でなければいいんです。最低以下というのは、例えば浮気や暴力とか夫婦関係が完全に破綻している。今回のケースは一応コミュニケーションは取れてますよね。「離婚しよう」と言えば「イヤです」とちゃんとメールで返事が来る。」
大渕・本村弁護士の見解は明らかにおかしい。大渕弁護士は別居よりは遥かにコミュニケーションがあると言うが、この2年間、この夫婦間でのコミュニケーションは全くなく、恐らく、男性A の「誰のおかげで飯が食えてると思ってんだ!」の発言以降の初の会話は恐らく男性Aからの離婚宣告に対するあの離婚を拒否するメールによる返答だと考えられる。夫婦関係が破綻する理由は何も不貞行為、DVだけではない。このようなコミュニケーション不全も場合によって、離婚事由になり得る可能性も大いにある。VTRを見る限り、あの妻Bは男性Aを金蔓としか思わず、自分の世間体のことと息子Cを人質にしてに離婚を拒んでいるように思われる。このような夫婦関係はとても続くとは思えない。また、そんな息子Cも極めて不憫である。この妻Bは男性Aにとってだけではなく、息子Cにとっても毒であるため、直ちに離婚し、親権も男性Aが持つべきである。また、大渕弁護士は他の弁護士が見解を出し終えた後で「((恐らく)夫婦関係が完全に破綻したと言い切るには)時間が必要だ。」と主張していたが、2年もあれば十二分過ぎるくらい破綻した期間が長いと言わざるを得ない。