今回の相談者は専業主婦の女性A(42歳)。夫Bは家事にも協力的でまさに理想の夫。
しかし、ある日、女性Aは夫Bのブログを見るが、そこには女性Aに対する愚痴や罵倒する記事が多々。しかも、それは10年前から続いていた。
これに激怒した女性Aは「夫Bのブログは見させてもらった。離婚してもらう。」と夫Bを問い詰めるが、夫Bは「そんなことで離婚出来るわけがない」と反論する。
果たしてブログでの暴言を理由に離婚できるか?
北村弁護士の見解:離婚出来ない
「離婚できるかどうかの境目というのは、婚姻関係が破たんしているかどうかということなのですけれども。発覚した今後もブログを続けるのかどうか、ということも十分話し合いをして、その後どうなるかです。現段階ではそのような話し合いは行われていないので、破たんしているとは言えません。」
大渕弁護士の見解:離婚出来ない
「面と向かって暴言を吐くのとは違い、ブログに書いているだけですと相手に伝わる事を想定していません。そして、本心とも限りません。ブログの存在をもって、夫婦関係が破たんしているとは到底言えないという事です。」
菊地弁護士の見解:離婚出来ない
「今回のポイントは、第三者から見て誰だか特定できないという事です。妻に対して名誉毀損、侮辱などの犯罪行為には至っていない。これは大きいと思います。」
本村弁護士の見解:離婚出来ない
「奥さんは私に対して全く愛情がないんだ・・・とがっかりされていましたが、夫からすると、あれが本心だとしても、妻に直接言わないのが1つの愛情なのです。ネット上の書き込みなので、名誉毀損になるような事を書くのはまずいですが、大体は許される事だと思います。」
今回の4人の弁護士の見解は釈然としないとは思いつつも、離婚出来るかと言うと現時点では難しいのではないかと言うのが自分の率直な感想。夫Bが10年間も自身のブログで女性Aの悪口を言い続けてきた事実はかなり大きいだろう。また、大渕弁護士の指摘通り、ブログ(本ブログも含めてではあるが)は基本的には相手に伝わることまでは想定しておらず、名誉棄損や侮辱等の犯罪には至っていない。また、夫Bは自身のブログに今後も女性Aの悪口を書き続けるかどうかが分からない現時点では離婚は難しいかもしれないが、止めないのであれば離婚も止む無しと言うのが自分の見解である。しかし、だからと言って、悪口や文句を全然言えないと言うのもそれはそれで問題である。言論の自由は認められているため、犯罪に至らない限り、ある程度の言論は認めて然るべきと言うのももう一つの自分の見解。なので、これは非常に難しい案件である。