交番の応接間っぽいところに通され、しばし待機。


オドオドした警官は、オドオドしながら書類を用意している。
卓上のトイレットペーパーを意味もなく右に左に置き換えたり。
かとおもえば、そのトイレットペーパーを右へ左へ。

見ていてじれったい。
そこに電話が鳴る。

やはりオドオドしながらドモりながら応対している。
『あ、すいません。』
『はい、すいません。』
『すいません。』
上司のようだ。
叱られているようだ。

ようやく書類がわたしの目の前に置かれる。

『あ、あの、えーと、その。免許証とかお持ちですか』

免許証を手渡す。
免許証の内容を書き写すにも無駄な動きが多い。

昼間、同僚くんがわたしに言った言葉を思い出した。
俺さぁ、何が嫌いって無駄が一番嫌いなんさ。特に時間の無駄がね。だって時間って戻らねぇじゃん?

このオドオド警官、人が10分でやる仕事を60分かけてる。
そんな感じ。

トロいトロいと言われるわたしがそう感じるというのは、よほどだろう。
全てにおいて要領悪すぎる。

結局、この段階でわたしは何をしにこの交番に呼ばれたかは、コンビニのオーナーさんからあらかた聞いて検討はついてはいるものの、聞かされていない。

恐らく、
遺失届は受理されたが、コンビニの防犯カメラに男が持ち去った証拠が残っているため、遺失届の他に被害届を出せと、いうことだろうが、一切説明がない。

オマワリが財布を無くした民間人にサプライズ演出とかする訳でも無いだろうし。

話の順序が逆だし、要点を話すことを忘れている。
被害届けを書かされるまで、一時間半もかかった。

財布の中身の価値以上に、時間の無駄という被害を被った。

金よりも時間返して欲しいと思うわたしでありましたううっ・・・ううっ・・・ううっ・・・ううっ・・・・・・・・。