◇増え続ける大腸がん
大腸がんによる死亡者数は年々増加しており、過去の統計を見ると、
1950年には男性1,819人、女性1,909人でしたが、最新データでは男性が
約23,000人、女性約19,000人と、この50年で約10倍以上に増え、
特に女性では「がん」の部位別死亡者数でトップ(男性では3位)に
なっています。
◇初期症状
比較的症状を自覚しやすい胃がんと比べ、初期の大腸癌がんでは症状を
感じることがマレですが、進行すると、慢性的な出血や便秘、下痢、
さらに、痼り(しこり)が感じられるようになります。
この状態になると多くの場合、転移が認められ、肝臓や周囲の内臓、
肺、さらに進行した場合には、脳、骨にも転移します。
初期の自覚症状がないことが大腸がんの早期発見を遅らせ、ひいては
死亡率の高さにもつながっています。
◇大腸がんの治療
大腸がんの治療には、内視鏡的治療、手術による切除、化学療法、
放射線治療などがあります。内視鏡的治療は下剤で大腸の中を空にして、
肛門から内視鏡を挿入、大腸の粘膜面のポリープやがん細胞を
高周波電流によって切除します。
これは初期がんの場合には非常に有効な方法です。
手術では「がん」のある腸管とリンパ節とを切除して、前後の残った
腸管をつなぎますが、「がん」が周りの臓器に広がっている場合には
その臓器も切除します。
また、直腸がんが肛門近くあり、肛門を締める括約筋を残すことができない
場合には人工肛門になることがあります。
手術の方法には従来からの開腹手術と比べて身体への負担が小さい
腹腔鏡手術(お腹に数箇所の小さな創をあけ、そこから内視鏡と
鉗子(かんし)を入れて「がん」を切除する方法)もありますが、進行した
「がん」に対してはこの方法は用いることができません。
化学療法は手術で癌が取りきれない場合やがん細胞が大きくなるのを
防ぐために用いられます。
放射線療法は再発を抑えたり、人工肛門になるのを防ぐために
直腸付近のがん細胞を小さくしたりする場合に用いられます。
◇大腸がんの早期発見
大腸がんは初期症状がほとんど自覚されないため、発見が遅れるケースが
非常に多いのですが、逆に早期発見ができれば、ほぼ完治させることが
出来る病気です。
ですからとにかく、検査を受けることが大事です。
検査方法には、便潜血反応をみるもの、直腸指診(肛門から指を入れ直腸内を診察します)、
直腸造影検査などがありますが、大腸内視鏡ではカメラで直接、ポリープや癌を
直接観察することができるので発見がより確実です。