ヒスタミンは細菌がつくる


 ヒスタミン食中毒とは、ヒスタミンを大量に含む魚介類を食べることにより、摂食後、数分から2、3時間という短い間に悪心、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、舌や顔面 の腫れ、じんま疹、金属様の味(peppery taste)、めまい感といった症状を起こす食中毒です。


このように多くの症状がありますが、実際にはこのうちの2,3の症状しか示さず、長くても1日程度で自然に治ります。どの症状が現れるかは、摂取したヒスタミンの量 や患者の個人差によりますが、心臓や呼吸器に基礎疾患のある人が発症した場合、重症となる可能性があるので注意が必要です。一般 的には、魚肉中に500μg/g以上のヒスタミンが蓄積されると食中毒が起こるとされていますが、感受性の高い人ならば50μ g/gで発生する場合もあります。


ではなぜ、魚肉中でヒスタミンが増えるのでしょうか?


原因となる食品はいわゆる赤身魚(マグロやサバといった血合いが濃い魚)であり、刺身以外でもイワシやサンマの干物やサバ缶 でも起こっています。


赤身魚は筋肉中にアミノ酸の一種であるヒスチジンを多く含んでいます。


魚を室温で放置していると、ヒスチジンをヒスタミンに変える酵素を持っている細菌(ヒスタミン生成菌)が増殖し、それに伴いヒスタミンも増えるのです。

また、魚の腐敗の指標となるアンモニアなどの生成量 がまだ少ないにもかかわらず、ヒスタミンは大量に産生されることがあり、気づかずに食べてしまうと食中毒になるのです。

現在ヒスタミン食中毒を引き起こすとされている菌は、もともと人や動物の腸内にいる菌であるため、細菌の汚染は魚が水揚げされてから以降に起こります。