タンパク質は、生命の源となっている20種類のアミノ酸が結合した分子で、その構造や機能が分かれば、生命そのものの複雑なメカニズムを解き明かし、さまざまな疾患を治したり、防いだりすることができる。最も有力な手段は、タンパク質のエックス線構造解析だが、それにはタンパク質の結晶をつくることが欠かせない。しかし、重要なタンパク質の約8割が不安定な性質のため結晶をつくりにくい「難解析性タンパク質」で、ほとんど手が付けられていなかった。
このため、タンパク質の分子に「部位特異的変異」=語句説明参照=という操作をして解析可能な品質の結晶を得る「タンパク質結晶工学」の確立に取り組んでいる理研の放射光科学総合研究センター・タンパク質結晶構造解析研究グループが、理研が所有する世界最大級の大型放射光施設「Spring-8(スプリングエイト)」=同=のエックス線結晶解析システムを利用して、「難解析性タンパク質」の21種類の結晶の構造解析を試みた。その結果、8種類で従来よりも分解能が大幅に向上した結晶を得ることができ、タンパク質の「部位特異的変異」によって、結晶の構造解析のための品質改善が可能なことが分かった。
同グループでは、「開発した技術を適用することで、品質が悪かった『難解析性タンパク質』の結晶を、解析可能な品質にまで改善することができる。『タンパク質結晶工学』が確立すると、治療困難な多くの病気の原因究明や安全で効能がある治療薬の創薬に貢献できる」としている。
このため、タンパク質の分子に「部位特異的変異」=語句説明参照=という操作をして解析可能な品質の結晶を得る「タンパク質結晶工学」の確立に取り組んでいる理研の放射光科学総合研究センター・タンパク質結晶構造解析研究グループが、理研が所有する世界最大級の大型放射光施設「Spring-8(スプリングエイト)」=同=のエックス線結晶解析システムを利用して、「難解析性タンパク質」の21種類の結晶の構造解析を試みた。その結果、8種類で従来よりも分解能が大幅に向上した結晶を得ることができ、タンパク質の「部位特異的変異」によって、結晶の構造解析のための品質改善が可能なことが分かった。
同グループでは、「開発した技術を適用することで、品質が悪かった『難解析性タンパク質』の結晶を、解析可能な品質にまで改善することができる。『タンパク質結晶工学』が確立すると、治療困難な多くの病気の原因究明や安全で効能がある治療薬の創薬に貢献できる」としている。