- 7つの習慣―成功には原則があった!/スティーブン・R. コヴィー
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- 本の概要
本書は1990年に初版が出版されたときにセンセーションを巻き起こしており、以来1,000万部以上を売り上げ、ビジネス書として今でもベストセラーを
続けている。著者のスティーブン・コヴィーは、国際的に高い評価を受けるリーダーシップ研究の第一人者。真に成功を果たすには個人としての有効性と職業と
しての有効性をバランス良く備えることが重要だと認識しており、それを反映して本書は、この2つの領域でより効果的に行動するための手引書となっている。
ここで引用される具体例では、ビジネス上の課題を題材にしたものと同じくらい家庭内における状況を数多く取り上げている。
7つの習慣を身につける前に、コヴィーが「パラダイムシフト」と呼ぶところの、世の中の仕組みに対する認識と解釈の転換をまず実現する必要がある。
著者はこの転換の実現を支援し、生産性、時間管理、前向きな思考、「予防的に働く筋肉」(何かに反応するのではなく自発的に行動すること)の開発など、他
にも多くのことに関する認識と行動に影響を与えている。
本書は明日からでも実践できることを謳い文句にしたヒント集ではない。そのコンセプトは時に複雑であるため、流し読むのではなく、じっくりと腰を据
えてここから学び取りたいと感じる筈である。読み終えたときには、どの章にも付箋や手書きの注釈が数多く残され、コヴィーの集中セミナーに参加したような
充実感に満たされることだろう。(Joan Price, Amazon.com)
感想など
- 早くも毎日更新が途切れました。いや、1度として連続更新することなく終わってしまったので、この場合「途切れた」という日本語が適切なのかどうか。むしろ何も始まっていない。内容のある記事など一つも書いていないじゃありませんか。
私は幾度となく「新しい習慣を作ろうキャンペーン」を展開してきました。が、私はこれを習慣にしようと思ったものはことごとく妄想のみで終わってしまう。早起きもそうだし、毎日弁当を作ろうというのも1日のみだったし、唯一毎日電車の中で読書をしようというのだけ比較的に続いたが、疲れた日はついつい携帯電話をいじっている。断続的な習慣である。要するに行動を習慣にする努力ができないのです。結局それを続ける意味があるのかという問いに答えられず、サボってしまうのです。要は、しっかりと努力に足る目的を定めること、そしてその目標を達成する努力を継続できる工夫が必要なのだろうと感じます。工夫にはその行動の時間を確保するためのスケジュール作りも含まれていて、要は生活に対する計画性が欠如しているのです。
さて、今回読んだ『7つの習慣』では、タイトルの通り「習慣」がテーマでした。ちょっと脱線ですが、この「7つの習慣」、書店で探してみると「自己啓発コーナー」に並んでいます。自己啓発かあ。自己啓発と言うと、なんだかリストラやら受験失敗やら大きな挫折をして、もう人生どん底みたいな人が読むイメージありますよね。なんか宗教っぽいて言うか。いやそれだけなんですけども。オチない。
内容の方に話を戻して、7つの習慣の内容に関しては、ググってもらえればもっと分かりやすく解説しているページがあると思うので、そちらを。wikiにすらあるし。で、詳細は省いてざっくり言うと、7つの習慣というのは、自分の人格をよりよい方向に変えていくための習慣なんです。著者は小手先のテクニックで何かを変えていくことではなく、根幹にある人格の錬磨にこそ、幸せがあるというのです。
◆人のせいにしてはいつまでもうまくいかない
たとえば、人間関係でもめているとしよう。具体的に彼女とケンカしていて、なかなか自分の要望にこたえてくれないというのが原因だとしよう。僕ですね。で、そうした時に、大抵の男は彼女に対して「ひねくれている」だとか「思いやりがない」とか感じてしまう。時にそれで相手に直接責めて、なんとか相手の行動を変えようとする。「なんでもっと優しくしてくれないの」「もっと俺のこと考えてよ」だの。女々しいですね。
しかし、そんなことやったって埒が明かないわけで。要は他人は他人の考えに従って生きているわけで、如何に自分がこうしてほしいと思ったところで何も直接的に変えることはできないのです。言うことで何か相手は考えてくれるかもしれません。しかし、そういった行動は大抵その場限りの応急処置的なもので、根本的な解決にならないことが多いのです。
どうすればよいか。変えることができるところを変えていくのです。変えられることができるのは、自分自身しかありません。自分のコントロールの及ぶのは自分しかありませんから。自分の接し方を変えることで相手の変化を促すしか方法はないのです。上記の例に従えば、相手に思いやりを持って接することで、もしかしたら相手もいつか思いやりを持って接してくれるかもしれない。お互いが思いやりを持つことが出きれば、お互いハッピーでしょ?少なくとも、怒って相手だけ何とかして自分だけいい思いをするよりかは、持続的なハッピーが得られるように思えます。
この『7つの習慣』では、人格を変えていくことの利点や方法などが詰まっています。よくぞここまで詰めたなと感じるくらい。こういうことは大切なんだなと感じることができてもなかなか実行できない、と思う人が多いとは思いますが、それを実行していくためのスケジューリングなども紹介していて、より実践しやすいような工夫も載っています。
◆成功者と7つの習慣
このような類の著作は、生存者バイアスがかかっているというか、要はお前しかできねーよ!と感じさせるものが多い。、受験時代に読んだ勉強法の類はまさにそれだった。しかし、『7つの習慣』の内容は、結構不偏性があるのではないかと思うのです。そう感じさせるのは、単純に似たようなことを実践している人がいるからです。例えば、チベット人民を率いて国を飛び出し、過去にも今にも絶対的なリーダーシップを保ち続けているダライラマ14世ですが、彼の信仰するチベット仏教に非常に似ているのです。彼も他者をいかなる時も責めてはいけない、未来を作り出すのは自分自身なのだから、これから自分が何をできるのか考えていくべきだ。努力次第で何とでも人生は良くできると述べています。チベット仏教は人格主義というか、そういうようなところが似ているなと感じます。そういえば著作の最後にはガンジーの言葉が引用されていましたが、ようはこの『7つの習慣』は非暴力思想に根を一にしているように思われるのです。非暴力思想と言えば、現代史において非常に大きな力を持って数々の問題を解決してきた思想で、ノーベル平和賞も、この思想家が幾度も受賞しています。そんなところから、この『7つの習慣』の大切さがわかるかと思います。
さて、ここまで非常にプラスの意見を述べてきましたが、少し批評というか気になった点を少々。7つの習慣はストレスコーピングの一つであるという観点から見つめてみます。
◆臨床心理学と7つの習慣
ちょっとストレスコーピングについて。私たちは生活している中で様々なネガティブな出来事に出会います。それがストレスを与えるもの=ストレッサーになり、心理的なストレス反応が生じます。ストレス反応は不快であるので、これらの反応を低減させたり、私たちは今現在よりも増幅させないようことを目的とした行動をしたり、考えたりする。それがストレスコーピングであります。コーピングとは日本語で「対処」を意味します。
ストレスコーピングの方法は、ひとつではなく、様々な経験を積み、年を重ねる毎に多様になります。
Folkman&Lazarus(1980)の研究では、ストレスコーピングの方法は、大きく「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」の2つに分かれます。
1.問題焦点コーピング
ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすること(例:対人関係がストレッサーである場合、相手の人に直接働きかけて問題を解決する)
2.情動焦点コーピング
ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとすること(例:対人関係がストレッサーである場合、それに対する自分の考え方や感じ方を変える)
7つの習慣は自分の人格を向上させたうえで、他者との問題をしっかり見つめて解決していく方法ですから、上の2つのコーピングのハイブリッドであるといえます。ストレスコーピングの仕方において、上の2つは最も精神衛生上良いとされているコーピングですから、臨床心理学的にも、7つの習慣のよさは保証されます。
しかし、このように問題に真正面からぶつかったり、自分を変えていこうとして問題解決することは、かなりの体力を使いますよね。問題解決をする前に潰れてしまうかもしれません。要は7つの習慣は漸次的なものなので、解決や精神の成長に時間がかかるのです。彼女を変えようとしても、人を変えるのには時間がかかりますから、それを我慢し続けるのは正直しんどい。
上の2つのコーピングや7つの習慣は、積極的なストレス対処(現実的な問題解決アプローチ)と呼ばれますが、その対極として消極的なストレス対処(逃避的な問題回避アプローチ)というものがあります。つまり逃げることです。生きていく上で、どうしても解決が難しい問題に私たちは出会うことがあります。それに対して何とか働きかけて、粘って粘って・・・している中で自分がストレスに負けて倒れてしまいます。何かと日本人は我慢が美徳ですが、悩み続けて病んでしまう人はしょっちゅういます。時に逃げることも正しいのです。彼女と別れてしまうことも一つの道なのです。
もちろん逃げてばかりじゃ駄目です。一度は立ち向かう必要はあるでしょう。しかし選択肢として、逃げることも一つの手だと知っている人は強いのです。7つの習慣が一つのカードだと思えば、手札が多い方が有利であります。
さて、以上批評にも満たない感想を述べました。ハウツー本が世に多く出る中、人間の根幹の人格の変化に目を当て、そこからの幸福に着目した『7つの習慣』は偉大です。ここまで偉そうに述べてきましたが、実は僕は原著を読んでいません。読めるわけないじゃないですかあんなぶ厚いの。別冊宝島でダイジェスト版が出ています。原著がどうか知らないでいうのもあれですが、ダイジェスト版でも十分要点はつかめます。分かりやすいです。人間関係で上手く行ってない人、というか人生上手くいっていないと感じる人。なんだかまだいけるんじゃないかと、なんだかポジティブになれます。なんたって自己啓発ですから。前向きになれただけでも、僕は読む価値があったと感じました。ぜひ。
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