昨日、オヤジが体験した沖撃ちは、小型船(定員3名)で川を上り、下りし、撃つやり方だ。
 
(配置)
舳先辺りに射手1名、
船腹に射手1名、
船尾に船外機を操る射手兼操舵手1名だ。
 
舳先は、前方に射手がいないため、射角は広いが、進行中、冬の川風をもろ受けるため頗る寒い。
船腹は、前方に射手がいるため、射角は、かなり制限されるが、川風は緩和される。
射手兼操舵手は、船外機を操りながら射手も兼ねるが、操舵に神経を集中するため射撃のチャンスはまずない。
 
(船出)
舟は、舳先を対岸に向けて係留してあった。
最初に、射手兼操舵手N先輩が乗り込み
つぎに、オヤジ
何せ、舟に乗り慣れていないため、S先輩に舳先を抑えて舟を安定させてもらわないと乗船できない
へっぴり腰で乗り込み、ハイハイ状態のまわれ右で、N先輩が支えてくれていた箱に腰掛ける。
N先輩「残弾さん、舟が安定するように、足を広げて踏ん張って座って」
オヤジ「ハッ、ハイ」
最後にS先輩が手慣れた手つきでとも綱を外し、着席。
S先輩「残弾さん、オレが風よけになってやるよ」
オヤジ「ありがとうございます」
 
船外機が快い音を立てながら、舟は上流へ向かう。
オヤジ「けっこう気持ちいいですね」
S先輩「うーん、まあ、今日は、そんな風も強くないしね」
N先輩「残弾さん、両岸をしっかりと見てて」
オヤジ「ハイ」
 
(航行中)
オヤジ
時間が経過するに従って
大自然を甘く見ていたことに気がつかされた。
けっこう気持ちいい→気持ちいい→少し寒いかな→寒い→かなり寒いとなり→芯まで寒いとなる。
舳先で風をもろ受けているS先輩は、オヤジどころではないだろう。
先程、「けっこう気持ちいいですね」なんて軽口をたたいたのを後悔した。
S先輩、すみません。
 
船外機が故障して漂流状態になった。舟が流れに任せて漂い始める。
行き足が停まった小舟は、かなり揺れる。
もし、転覆したら・・・・恐怖が脳裡を過ぎる。
何故か、チップの顔が浮かんでくる。チップに行って来ますを言わないできたからだ。
忠犬チップか・・・・
そんな、オヤジの不安をよそに
N先輩、手慣れたもので、
竹竿で操船しながら、修理完了、再び、心地よいエンジン音が復活した。
 
舟が上流に向かうにつれ、釣り人の数がだんだんと増えてくる。
N先輩、釣り人に迷惑をかけないよう、速度を落とす。そして釣り糸を切らないよう細心の注意をはらい操船。
対岸の釣り人たちから
「鴨とれた?」 
S先輩「だめだな、何釣れるの?」 
釣り人「わかさぎだよ」なんて
のどかな会話が飛び交う。
中には
「そんなところえらそうに走っているじゃねぇ」なんてケンカを売ってくる釣り人もいた。
オヤジ、むかっときて、「先輩、頭にきますね」と
S先輩「釣れないからねイライラしているんだよ」とニコニコ顔
さすが、S先輩、オヤジとは、人間の器が違う。
 
(獲物との出会い)
 
カルガモ
舟が、かなり近づいてから、進行方向、左手の対岸の葦原から2時方向へ飛び出した。
S先輩、咄嗟のことでタイミングが合わない。
オヤジ、射角が悪いので安全性を考慮して発砲を断念した。
 
やつらは、舟が近づくと潜る。どこに浮上するか見当がつかない。
もっとも、こちらも、積極的に撃つ気はないので、真剣に捜さない。
半矢の鵜か゜飛べずにバタバタしていた。撃たなかった・・・
撃たないのが情けか、撃つ方が情けなのか、横を通り過ぎながら考えた。
 
小ガモ
舟が通り過ぎた後、飛び出し、船尾から舳先方向へ、川面スレスレのローパス
岸への跳弾のおそれがあり、発砲できず。
かなり先に、着水するも、舟が近づくと離水。
その繰り返しを二度ばかりやり
三度めに、高度をあげて、こちらに向かってくる。
「鴨くん、グラマンとドーントレスを見誤った坂井君と同じミスをしたね。ムフフフ」
両先輩「残弾さん、撃て!」
オヤジ「ハイ」 
ドン=ハズレ。
 
(総括)
陸上の射撃と異なり、射手の置かれている環境、つまり、射手自身が進んでいること・射手自身が上下動いていること・安全面で射角が制限されることなどを考慮に入れるとかなり難度の高い射撃である。
確かに
爆撃機の旋回機銃や艦上から対空射撃が中りづらいのも納得。