
車のライトが何筋か空を交差している。
こちらを目指しているようだ。
一台、二台と池の周りに集まってくる。
当初は、我々のグループ(7人)だけかと思っていたが
なんとか、初猟の雰囲気にはなってはきたが
肝心の獲物が・・・
おそらく
この状況が分かっている地元のハンターは少ないだろう。
品川ナンバーもきた。
師匠は、先週の下見のとき、池にたむろする鴨群を見て
回収の万全を期すためにも、ゴムボートまで用意されていた。
こんな状況になるなど、予想だにされていなかったため
失望、落胆の色が隠せない。
時間的にも空母(鴨)がたむろする他の海域に移動することは不可能。
それに、高額な魚雷(スチール弾)はどうする、
他の海域なら陸用爆弾(鉛弾)で充分だ。
もっともそんなところがあるなら、最初からそこに行っている。
一同「師匠、どうしますか」
師匠「やろう、少し様子を見て、ダメなら他へ移動しよう」
一同「了解しました」
師匠「では、若い者は、ゴムボートを岸まで運んでくれ」ってことで、
幸い、いや、残念なことに若い者に撰ばれなかったオヤジは
粛々とオレンジベストを着て定位置に着く。
定位置に着くとは
2つの池の間の幅20辰らいの空き地に
池と平行して、5辰らい間隔を空けて、それぞれが立つことだ。
そして
池から鴨が飛びだしら、一斉射撃というわけだ。
6時15分
花火が上がる。
誰も、撃たない。
いや、撃てない。
鴨が飛び出さないのだ。
いつもなら、ここで一斉射撃
乱舞しながら、逃げ惑う鴨達ってことになるのだが、
「天気晴朗なれど、鴨おらず」
いや
「天気晴朗なれば、鴨おらず」
10分くらい経過する、「出たぞ」の声、数羽のコガモが上空へ
一斉射撃、でも、誰の弾が中ったか不明
とりあえず
墜落地点に一番近い者が回収する。
間が悪いことに、用意してあるゴムボートと反対側の池に落ちる鴨も多い。
それでも、ゴムボートのおかげて何羽か回収に成功した。
師匠の苦労が報われてホントによかった。
そんな出会いが、数回続いた。
やがて、抜けるような青空が広がっているだけとなった。
たまに、沖撃ちから逃れてきた鴨のV字編隊が上空に飛来するが、射程外。
それでも、撃っているハンターがいる。
好青年さん「撃つか撃たないか、見切りができるようになっただけ、お互い、ベテランになりましたね」
オヤジ「そうだね。最初は、分けも分からずバンバンしてたからな、無駄弾を撃たなくなっただけでも進歩だな」
そのうち、県警や監視員の方たちが、鉛弾を使っていないかチェックに
監視員「猟、どうですか?」
オヤジ「ダメですね」
監視員「スチール弾使用にご協力くださいね」とじーっとオヤジの顔を見る。
わざわざ、ポケットから出して、「ほら使っていますよ」なんて言うのもなんだかなと思い。
オヤジ、明るく「ハイ」と答えたら、
しばらく、オヤジの顔をじーっと見てから、ニコッとして向こうに行かれた。
待てど暮らせど来ぬ鴨をで、2時ごろまで待機。
今日は、ここまでとなった。
師匠から「残弾さん、ほら分け前」ってことで、
獲物を頂き、好青年さんと帰路につく。
途中、鳥屋に入っているH先輩から好青年さんに電話が入り、
オヤジも、お裾分けを頂けることになった。
それで、数の上では定数となり、初猟終了。
我が家では、埼玉のばあちゃんが滞在中
丁度、この日、ばあちゃん(82才)の誕生日会
そのご馳走としてコガモ君たちとても活躍してくれたのだった。