本日は,憲法9条と自衛隊,そして日米安全保障条約等を取り上げました。憲法9条が定められたのは,太平洋戦争でアメリカ相手にアメリカの予想を越えた戦いを展開した日本に対し,アメリカが日本に再び武力を持たす脅威を感じたことがその背景にありました。しかし,1950年に朝鮮戦争が始まると資本主義諸国のリーダーであるアメリカは,資本主義陣営内で結束を固め社会主義陣営に対抗する必要性に迫られました。戦う能力の高い日本を資本主義陣営の中で戦力外においておくことなどは考えられないことでした。そこで,1951年にサンフランシスコ平和条約により日本の独立を早め,日米安全保障条約で資本主義陣営同士の結束をかためたのでした。日米安保条約は,1960年改正され両国の結びつきは、より一層強固になります。安保闘争があったのはこの改正のときです。この後,日本とアメリカの防衛協力の基本的な方向性を定めるガイドラインが国際情勢に応じて定められていきます。図説P52参照。

 1989年に冷戦が終了すると資本主義陣営Vs社会主義陣営という対立の図式もなくなり,国際間での自衛隊の位置づけも変わってきます。アメリカとともにテロから世界の平和と安全を守る,アメリカの・・・かもしれませんが,PKOなどの平和維持活動に参加することになります。行動する舞台も世界に広がって行きます。そのためにPKO協力法を始めとする恒久法や臨時立法が制定されました。図説P58を参照してください。また,自衛隊もアメリカ完全主導の冷戦のころと比べ,戦闘に参加する現実味を帯びてきたため、11本の法律からなる安全保障関連法も制定,整備されました。図説P5556参照。中でも,事態対処法が改正され,他国の武力攻撃であっても,日本の存立を危うくする存立危機事態に至った場合は,集団的自衛権の行使が可能になったたことは注目してください。

 最後に9条をめぐる司法判断については,名古屋高裁が違憲判断をした自衛隊イラク派遣差し止め請求訴訟をとりあげましたが,それ以外については,図説P49を参照してください。なお,最高裁は,この手の問題については,すべて判断を避けています。

皆さん,特講,お疲れさまでした。次の授業までにP15ページまで仕上げておいてください。9月からも用語集使いますので持ってきてくださいね。世の中には,努力してもうまくいかないことがありますが,努力をしなければ100パーセントの確率でうまくいきません。9月からも,大変でしょうが,時間を無駄にしないで,やらなければならないことを全力投球で頑張ってください。