<大和郡山市長安寺町(佐保川三郷橋西詰)> 
二階堂道(中街道支線)の文化9年(1812年)の題目塔道標(髭題目)。台石部分に花立てと水鉢、線香立てが作られている。水受けに食い込んだ線香立てがユニーク。



<生駒市高山町(出店橋南丁字路)> 
郡山街道(富雄街道)と山城道の交差点に立つ江戸期の道標。伊賀、伊勢、木津、山城、大坂、奈良、八幡を案内する。頭頂部に浅く水受けが彫られている。水鏡が美しい。




<高取町与楽> 
世にも珍しい?大正14年(1925年)のコンクリート製(人造石洗い出し仕上げ)花立型道標。地蔵祠の花立が道標になっており、天面中央に水受けと線香立て、その両脇に花立が作られている。また、祠内の地蔵も道標になっている。



<安倍文殊院(本坊前)> 
元は初瀬街道(伊勢街道)仁王堂の辻にあった寛政10年(1798年)の道標。頭頂部には横幅43cmにもなる大きくて深い水受け。道標全体が水鉢となっている。



<天理市西井戸堂町> 
橘街道と丹波市街道の辻より移設された昭和2年(1927年)の大峯供養塔道標。道標前に小さな水受け付きの拝石が付属する。



<斑鳩町阿波(阿波公民館前)> 
自然石道標の頭頂部に開いた四角い穴。木の柱が立てられて木製灯籠の台石となっていた可能性もあるが、深さは10cmもないので水受けだろうか。



<五條市霊安寺町(市篠八幡宮西三叉路)> 
文政8年(1825年)の大和新四国道標。台石の下段に水受けが彫られているが、台石下段は他所から持ってきたものだろうか。



以上、奈良県内の水鉢(水受け)のある道標のおもなものを挙げてみた。



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