福西集落のはずれの祠内に西国巡礼供養塔道標が納められています。 



大きな自然石の1面を平らに加工して文字を刻んでいます。 



正面上部には阿弥陀三尊の種子が刻まれています。 



その下には 「奉供羪西国三十三所 寛政四年 子九月日 福西村 同行中」 の文字が刻まれています。 



左側面の前方には 「左 はいばら(榛原)」 と刻まれています。 



右側面の前方には 「右 ひばり山(日張山)」 と刻まれています。 



背面には文字は無いようです。 







西側から。右は県道217号。 



南側から。写真後方は榛原福西集落。 


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榛原福西集落南東はずれの三叉路にある寛政4年の西国巡礼供養塔道標です。他の石仏などとともに祠内に納められています。

地元福西村の観音講によって建てられたものと思われ、左右の側面が道標になっており榛原と日張山青蓮寺を案内しています。正面上部には阿弥陀三尊(阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩)の種子が刻まれています。

この場所は井足・榛原方面への間道と高塚・古市場方面への道の分岐点だったようです。また、ここから東へ進んで芳野川の栗谷橋を渡ったところにも鷲家・日張山と榛原・初瀬を案内する道標が立っています。 


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・各面の内容 

[南西面]_(梵字(サク・キリーク・サ))、奉供羪西国三十三所、
               寛政四年、子九月日、福西村、同行中 
[南東面]_右、ひば(者゙)り山(日張山) 
[北西面]_左、は(者)いば(者゙)ら(榛原) 
[北東面]_文字なし 


建立年 : 1792年 (寛政4年) 



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<2017/9/20 初投稿> 
<2019/7/28 補筆> 
<2021/10/18 写真更新・補筆>