菟田野平井の飛来寺下の丁字路に平井大師山を案内する道標が立てられています。 
[南面]_奉四國八十八ヶ所霊場、(台石) 村中 



[西面]_すく、大師山、是ヨリ十一丁、いせ、道 



[東面]_す(春)く、うた、左、古市場、道 



[北面]_嘉永七甲寅六月立之 







西側から。 



北側から。 



東側から。 


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平井大師山などを案内する道標です。

道標前の道は東は伊勢本街道へ通じ、南は古市場、西は宇陀松山へと通じる街道の分岐点でした。 

この道標は江戸末期の名石工、丹波佐吉の作と伝わります。佐吉は弟子とともに平井付近に数年間滞在して平井大師山の八十八ヶ所霊場の造営に携わり、多くの石仏や石造物を残しています。 

佐吉は県内各地の神社の狛犬などでも有名ですが道標もいくつか手掛けているようです。 
丹波佐吉作と思われる奈良県内の道標は、
 0533-宇陀市菟田野平井の道標-2 (飛来寺南丁字路) の他に、
 0175-明日香村越の道標-2 (近鉄飛鳥駅西) 
などがあります。 


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・各面の内容 

[南面]_奉四國八十八ヶ所霊場、(台石) 村中 
[東面]_す(春)く、うた、左、古市場、道 
[西面]_すく、大師山、是ヨリ十一丁、いせ、道 
[北面]_嘉永七甲寅六月立之 


建立年 : 1854年 (嘉永7年) 

飛来寺下南丁字路 (針道街道) 



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参考 : 『丹波佐吉の石造物とその一生』 磯辺ゆう