記事をリニューアルしました。(2023/7/30) 



青越伊勢街道(伊勢北街道)の長瀬の大師堂(小室生寺)前に文政2年(1819年)の道標が建てられている。



[北面]_(梵字・カーン)、女人高野室生山 
上から四分の一の部分で接合修復されている。



[西面]_文政ニ卯十二月立之、是より、五十丁 



[東面]_丁石發?願主、…(以下文字あり?) 



[南面]_文字なし 



頭頂部。



大師堂には室生山の古い絵図「大和國室生山一覧之圖」が掲げられている。



東側から。



西側から。


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青越伊勢街道(伊勢北街道・初瀬街道)の長瀬集落の大師堂(小室生寺)前には、「女人高野室生山、是より五十丁」と刻まれた文政2年(1819年)の道標が建てられている。大師堂には弘法大師像が安置され、室生山の古い絵図「大和國室生山一覧之圖」が掲げられている。

ここは「大師の道」と呼ばれる室生寺参詣道の出発地点になる。大師の道はおもに伊賀地方からの参拝者が利用した道で、現在も多くの丁石(町石)と道標が残っている。現存する丁石は壹丁石を除いてすべてが伊賀の人々の寄贈による(壹丁石のみ地元長瀬の人によるもの)。大師堂前の道標はそれらの丁石の起点(初丁石)となり、室生寺太鼓橋前にある同じく文政2年建立の道標が最終丁石(50丁)ということになるのだろう。ともに「女人高野室生山」「丁石発願主…」と刻まれる。道標には室生寺まで「是より五十丁」(5.4km)とあるが、実際には7kmほどの道のりになる。


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・各面の内容 

[北面]_(梵字・カーン)、女人高野室生山 
[西面]_文政ニ卯十二月立之、是与(よ)利(り)、五十丁 
[東面]_丁石發?願主、…(以下文字あり?) 
[南面]_文字なし 


建立年 : 1819年 (文政2年) 


長瀬・太子堂前 (伊勢北街道(青越伊勢街道・初瀬街道)・大師の道) 



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<2016/7/13 初投稿> 
<2018/12/21 補筆> 
<2020/4/27 補筆> 
<2023/7/30 リニューアル(写真更新・補筆)>