このところ、なかなか良い豆に巡り合えておらず、新商品の追加がかなりのスローペースになってます。

 

何度かお問い合わせもいただいていたゲイシャも今年は入荷がありませんでした。

 

なんとなくですが、ちょうど「円安だ!物価高だ!」と世間が騒ぎ始めたあたりから、生豆業者さんも仕入れの方向性を変えたような気がします。

 

 

 

通年買えるレギュラーラインの豆は値上げ傾向。


マイクロロットの豆は低めのグレードに切り替えて価格維持。

 

 

みたいな感じですかね( ´Д`)y━・~~

(※勝手な憶測です)

 

 

 

コーヒー豆に出せる金額というのは人によって差はあれど、このご時世に高い豆を売ってもなかなか売れませんからね(´-ω-`)

 

生豆業者さんも不良在庫を抱えないように、売れスジの価格帯というのを意識しているように思います。

 

そんなワケで豆の仕入れになかなか手を出せずにいたんですが、そうこうしているうちに在庫切れした豆も増えてきてしまったワケです。

 

今のタイミングでマイクロロットの新商品にチャレンジするのもリスクが高いので、これまで仕入れたことのあるレギュラーラインの豆のなかでも比較的優秀だった豆を中心に再入荷してみることにしました。

 

 

再入荷した豆たち

 

ブラジル/フルッタ・メルカドン・アナエロビック・ナチュラル

 

マイクロロットの豆があまり出回らなくなったのもあって、アナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)の豆自体が手に入りづらくなったように思えますね。

 

そんななかでも、このフルッタ・メルカドンはブランド化して生産量を増やしており、今では安定して手に入りやすいアナエロビック・ナチュラルとなっています。

 

ナチュラル精製とあって、生豆にはかなりの欠点豆が含まれるので、ハンドピックにかなりの手間がかかるヤツなんですが、価格の割に個性的でフルーティな味わいが楽しめる逸品です。

 

 

 

インドネシア/マンデリン・ポルン・アルフィナー

 

伝統的な製法のマンデリンにも関わらず欠点豆がほとんど含まれないという、ワタシに手間をかけさせないという意味では最高にいいヤツですねw

 

「伝統的なマンデリン」というのはいわゆるスマトラ式という精製方法なんですが、インドネシアは雨季がある都合上、生豆を天日で干し続けることができず、生豆が半乾きの状態で精製を進めるのが特徴。

 

半乾きの豆は柔らかいので精製加工中に傷がつきやすく、そこから痛みやすくなるので、仕上がった生豆には欠点豆が多く含まれるんです。

 

それを嫌って、スマトラ式ではなくパルプドナチュラルで精製処理をしたマンデリンなんかも多くありますけど、やはりちょっと違うんですよね。

 

マンデリンはその製法から品質が上げにくく、酸味もイマイチなので浅煎りには不向き。

 

そのためかスペシャルティコーヒーの世界ではあまり顧みられることがない銘柄なんですが、深煎りでのその味わいは他に対抗馬がないくらいの個性と美味しさを持っていると思います。

 

マンデリンとしては雑味が少なく上品で、やわらかい苦味とコクがあります。

 

深煎りのコーヒーが好きな方にはもちろん、スイーツとの相性も非常に良いので、お菓子のお供にもオススメです。

 

 

 

エチオピア/シダモG-2・カフェインレス

 

この豆は再入荷ではなく、新豆ですね。

 

でもこの豆、直前に売られていた「エチオピア/シダモ・タデ農園・カフェインレス」の後継品として販売を始めたものです。

 

まぁ、名前を見ればわかる人にはわかるんですが、先にも言ったようにグレード的にはやや低めのグレードに置き換わっているといういい例です。

 

 

タデ農園での単一農園生産

シダモ地区の農協生産

 

という意味になります。

 

 

タデ農園は有機栽培を行なっている農園ですし、今となっては破格のデカフェでしたね。

 

で、新しい方のシダモG-2ですが、この「G-2」というのは豆のグレードを指します。

 

まぁ、グレードとひと口に言っても生産国によって基準は様々で、美味しさに直結しないような基準も多いので、単なる記号くらいに捉えてもらって結構です。

 

ちなみにエチオピアのグレード基準は

 

 

欠点豆の含有量

 

 

で決まります。

 

 

焙煎前にワタシが徹底的に取り除いてますので、関係ないんですよホントに(^_^;)

 

精製方法に関してはタデ農園の方がナチュラルだったのに対して、シダモG-2はウォッシュドですので、方向性は大きく異なります。

 

エチオピア原種の精製による風味の方向性ですが、

 

 

ナチュラル → ベリー系

ウォッシュド → 柑橘系

 

 

という風味に分かれます。

 

まぁ、脱カフェイン処理が入る都合上、(カフェイン有りの)普通のコーヒーに比べると、そこまで大きく風味に差は出ません。

 

ただ、ナチュラルの方がもともとの風味が強いこともあって、脱カフェイン処理による風味損失を加味しても「コーヒーらしさ」がより残りやすいような印象はありますね。

 

口当たりとしてはナチュラルの方がややコクのあるふっくらとしたカンジで、ウォッシュドの方はすっきりしたキレのある後味で酸味も少し強めになります。

 

脱カフェイン処理については、どちらもマウンテンウォーター式を採用してます。

 

カフェインレスの豆としては焙煎しやすいですし、風味損失も少なく、価格もバカ高くならないという、三拍子揃った脱カフェイン処理方法だと思います。

 

 

まとめ

 

今回は再入荷したものを中心に紹介しましたが、他にもコスタリカ産のミレニオ種なんて新豆も先日投入しましたので、そちらもチェックしていただけると嬉しいです。

 

しばらくは業界の動向を見ながらの堅実な仕入れとなりますが、美味しさを度外視したり、大きな値上げなんかもしたくないですから、そのあたり汲んでいただけると幸いです。

ではでは。