* 2016年 冬 *
「りんごを沢山頂いたので
長谷川さんにもお裾分け♪」
と帰り際に営業の方が渡してくれました。
どっしりと重く、本当に沢山下さって、
りんごが大好きな私はルンルンでした。
りんごを沢山くれたのはハウスメーカーの
営業の女性で、その会社で全国トップクラスの
成績を常に収めておられます。
私の尊敬する女性の一人なのですが、
帰る時間が一緒になると、最寄りの駅
まで車で乗せて下さり、いつも色々な
事を教えて下さいました。
例えば、
「 完璧なお家はない 」 という事。
お家を建てるのに、土地や間取り、資金や
仕様、工事、打ち合わせ、など様々な要素が
ありますので、どこかで上手く行かなかったり、
妥協しないといけないところが必ず出て来る
と思います。
そんな時どうしても上手く消化出来ず、
立ち止まって泣いてしまわれるお客様も中には
いらっしゃいます。お家に対する想い(希望)が
強い程そうなってしまうと思いますので、
お気持ちはとってもよく分かるんです。
そして打ち合わせが先に進まなくなって
しまい困っていると、
「家造りはね、とっても徳を使うという
話を聞いたことはありますか?」
「タイミングや色んな条件で想い通りに
ならない事もあるけど、無理して全部
完璧にしようとすると、どこかで必ず
しわ寄せが来るんですよ。」
「大切なのは完璧な家を造ることでは
なくて、完成したお家でずっと幸せに
暮らしていくことでしょう?」
「そこに意識を持ってもらって、
どこかで折り合いをつけてもらうのが
大事なんですよ。」
とっても説得力がありました。
家に帰ってりんごを袋から出していると
中にお米が入っていました。
私がちゃんと食べているか心配して下さって
いたんですね。まだまだ先が見えない頃の
私には、その気持ちが本当に嬉しかったです。