2019/07/03 日本経済新聞
『金融資産 同時高』より
米中協議の進展?の兆しもあり、株式、債券、商品等世界のあらゆる金融資産がそろって上昇とあります。
今年の上昇率は世界株式で21年ぶり、先進国債券・金でも3年ぶりの高さを記録しています。通常は反対の方向に動く資産も含め、同時に高い伸びにるのは異例だとあります。この背景は米国の利下げ観測に加え、米中の協議が再開されるとの動きで、総楽観状態により同時高となった模様です。7月1日の米国市場はS&P500株価が過去最高を記録、ドイツ・フランスの10年国債利回りは低下し(価格は上昇)、過去最低となりました。これはリスク資産としての株も安全資産としての債券も、同時に買われたことになります。G20で米中首脳会談で決裂が回避されたことも、リスクに対する緊張が緩んだ結果だと感じます。
概して株式が上昇する時期には安全資産の代表格である国債は売られて下がりやすい傾向にあり、社債のようなある程度利息がある資産が買われるときは、利息がない金の価格は下落します。このようなオーソドックスな経験則が成り立っていないのが、昨今の全資産高です。
原因は米国の金利下げ観測ですが、世界中の投資家が資産運用の中心におく米国債の利回りが低下しており、じゃぶじゃぶの余剰資金が様々な資産に拡散されています。基軸通貨の米ドルも下落するかもとの観測も、原油や金等の商品価格の価格上昇(通常米ドル建で取引されるため、ドルの下落は商品価格が上昇しやすい)につながっています。
2019年7月3日 日経新聞より

同じような状況は12年にもあり、当時欧州中央銀行(ECB)は7月に、米国FRBも9月にさらなる金融緩和政策を強化しましたが、世界的に緩和期待が高まっている現在と重なります。因みに13年5月に米国FRBのバーナンキ元議長が、緩和縮小を言葉に発し債券価格が急落し、新興国からも一気に資金流出が始まり、資産価格の同時高が終了しています(この状態はバーナンキショックとか言われていました・・・)。
皆、「なんとなく怖いなと思いながら、まだ大丈夫、自分だけは逃げられる」と思っているユーフォリア状態は、一度微妙なバランスが崩れると大きな〇〇ショックにつながります。この怖さの感じ方は、皆さまの年齢やライフステージから逆算して考えられる投資期間や下落リスクに対する我慢度によっても違うのではないかなとも思います。
この後のアクションが一概に言えないのに、資産価格だけが一辺倒に同時上昇という事実をどう考えるか一度真剣に考えてみる時期だと思います。